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母の再婚相手が私の下半身をまさぐっていた…作者が訴える“性的虐待から逃げる難しさ”<漫画>

今は“推し活”にまい進中

――「過去よりも今の生活を大事にしたい」と仰っていましたが、今はどんなことを楽しみにしていますか? 魚田:「推し活」です。「クリープハイプ」というバンドが大好きなので、ライブに行ったりして楽しんでいます。 「自分を大切にしよう」と決めてから、「今は子育て中だし」とか「お金が無いから」と理由をつけて自分のやりたいことを我慢するのは止めようと決めました。子どもの頃から自分よりも誰かのために我慢することばかり考えていたので、夫に気を遣うのもやめました。 自分を大事にすることで家族との関係がよくなったと思います。今後はアウトドアに挑戦して夏にキャンプに行ったりしてみたいと思っています。 ――ご自身の経験を踏まえて、子育てで大切にしていることはありますか? 魚田:自分の気持ちをできるだけ言葉で伝えるようにしています。例えば子どもの帰宅時間が遅かった時には「遅い!」と怒るだけではなく「こういう理由で心配だから遅くならないようにしてね」と話すようにしています。

性的虐待から逃げる難しさを伝えていきたい

――これから魚田さんが描きたいテーマはありますか? 魚田:性被害に遭った人に対する偏見を無くせるような漫画を描きたいと思っています。読者の方から、「主人公(被害者)にイライラする」「結局、大嫌いな加害者に養われているじゃないか」とコメントされることがよくありました。性的虐待の被害者は逃げるのが困難な心の状態になってしまいます。なぜそうなってしまうのかというプロセスを分かりやすく描ければいいなと思います。 ――性的虐待の被害者に対して「もっとこうすればよかったのに」と責める風潮は、被害者をさらに追い詰めてしまいますね。 魚田:いただいたメッセージの中には「40代になった今もまだ加害者の父と暮らしています」という方もいました。私が今も実家と付き合いを続けているのは、「夫や夫の実家に迷惑を掛けたくない」と思っているからでもあります。  もし今になって私が実家と連絡を絶ったら、継父や母が夫の実家に問い合わせるかもしれません。実家と絶縁する理由として「継父に性的虐待をされた」と説明したとしても、皆が皆「それなら仕方ない」と納得してくれるとは限らないと思います。そうなるくらいなら、年に数回会う程度は苦痛ではないので現状維持しているという面もあります。虐待の被害者に「加害者から逃げればいい」というのは簡単なことではないと知ってもらいたいと思います。 【漫画を最初から読む】⇒画像をタップすると次の画像が見られます <取材・文/都田ミツコ>
都田ミツコ
ライター、編集者。1982年生まれ。編集プロダクション勤務を経てフリーランスに。主に子育て、教育、女性のキャリア、などをテーマに企業や専門家、著名人インタビューを行う。「日経xwoman」「女子SPA!」「東洋経済オンライン」などで執筆。
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