山﨑賢人が「A|X アルマーニ エクスチェンジ」の広告モデルに3年連続、5シーズン起用され、岩田剛典がルイ・ヴィトンのアンバサダーなら、横浜流星はディオールときた! いやはや、筆者がこよなく愛する三巨頭の俳優陣がハイブランドを着飾る姿もなかなか壮観である。
「着飾る」といえば、このワードが導くのは、文字通り、横浜が川口春奈と共演したドラマ『着飾る恋には理由があって』(2021年、TBS系)だ。同作で横浜が演じたのは、フード・トラックに乗るミニマリストのシェフ・駿だった。確か、彼は私服を2、3着しか持っていなかったはず。着飾ることとは無縁の駿も愛すべき存在だったが、エレガントなディオールの衣装をまとい、“着飾る流星君”も、そりゃあもちろんベターなわけで。
着飾る流星君をみると、これはもう簡単には言い表す言葉が途端にみつからなくなる。まず、「美しい」の一言以上をみつけるのが難しい。凛とたたずみ、こちらをみつめる彼の視線をキャッチするだけでこと足りる。一枚の写真に広がる横浜ワールドに、ただ身を寄せて、委ねてみるだけでいい。そして、彼の艷やかな美しさに、ただ息を呑むのみだ。
パリ8区モンテーニュ通り30番地にあるディオール本店を訪れた横浜は、1946年創業の老舗メゾンの歴史に感服したようだ。ディオールの服に身を包み、ディオール本店を歩く贅沢はだれにでも許されることではない。創業者クリスチャン・ディオールにとって特別な意味を持ち、メゾンの重要なモティーフであり、アトリビュートであるのが、星である。名前に星を持つ横浜がこのメゾンに足を踏み入れたのは、実は必然的なめぐり合わせだったのかもしれない。
驚くことに横浜は、コレクションになんと発表予定の新作を着て出席した。前日にフィッティングし、横浜の体型に合った縫い付けを施す。フランスの大女優ナタリー・バイが主演した映画『オートクチュール』(2021年)では、ディオールのオートクチュール(高級仕立て)の仕事が描かれていたけれど、老舗メゾンにしかなせない技の細やかさを目の当たりにした瞬間だったのではないか。袖を通した瞬間に、横浜はどんなことを感じたのだろう?
ペールグリーンのセットアップは、清涼感に溢れる。この夏、横浜にフィットするのを待ち望んでいたかのような印象を与える。最新コレクションをこんなにスマートに、エレガントに着こなしてしまう日本の若手俳優が他にみつからないと思った。