いよいよデート当日になり、京子さんは、前日から仕込んでおいた具材などをキッチンに勢揃いさせます。そして、ハンバーグや副菜をしっかりとした味付けで調理し、次にご飯の上をハム、チーズ、のり、ねぎ、人参などでデコレーションをするのだそう。
ここで、予行演習の時は気にならなかった細部のバランスやレイアウトが気になりだし、あーでもない、こーでもない、と試行錯誤を繰り返す京子さん。時間はどんどん経過し、Mさんの迎えのインターホンが鳴ったと同時に、ようやく満足のいくキャラ弁が完成したのだとか。
京子さんは、慌ててランチバッグにお弁当をしまってMさんのクルマに乗り込みます。
「まさにギリギリセーフでキャラ弁が完成したんです。ま、少し妥協した部分もあったんですが、彼の喜ぶ顔を想像したらなんか嬉しくなって、クルマの中では自然とアニメの曲を口ずさんでいました」
京子さんは当時を振り返って語ってくれました。
牧場に到着した2人でしたが、京子さんはあることに気が付きました。
「慌てていたからなのか、ランチバッグに保冷剤を入れ忘れていたんです。でも、車の中はクーラーが効いていたし、お弁当も冷えていたので問題ないと思っていました」
実際に作ったキャラ弁(京子さん提供写真)
早速2人は牧場の草原にレジャーシートを広げ、お弁当を食べることにしました。Mさんはお弁当の中身を見るや否や「スゲー!」と驚きの声を上げ、キャラ弁の完成度に感激してくれたそうです。
しばらくの間、その完成度の高いキャラ弁を観察し、SNS用の写真を撮ったあと、ようやくお弁当を食べ始めた2人。「味もおいしいね!」と、どんどん平らげるMさん。
「彼が勢いよくほとんど食べちゃって、それに気づいて申し訳なさそうにしてたんですけど、想像以上に喜んでくれたので私も満足していました」
京子さんは嬉しそうに話してくれました。