――例えば、どんな時に差別を感じますか?
「法人口座の申請に落ちたり、銀行からお金を借りられなかったり。事務所を登録する際にも場所を探すのも大変だし、金額も割高になっていることが多いんです。
けれど、私たちもしっかりと納税をしている国民です。同じ国民なのだからと言い続けた方がいいと思っています」

控訴審に向け、あらためて再度のクラウドファンディングを実施しているとのこと(画像:CALL4「セックスワークにも給付金を」訴訟ページより)
――同業者からの反応はありますか?
「業界でも色んな考え方があって、権利を主張すると国から目をつけられるからと迷惑がる人たちもいるんです。
でも、今だってじゅうぶん目をつけられているわけで、声を挙げたところでそこは変わりません。給付の権利も当たり前にあるものですし、今回のような国からの差別や偏見は働く人たちみんなに関わってくるものですから」
――差別や偏見の話でいうと、2021年6月には立川のラブホテルでデリヘル嬢とスタッフが殺傷された事件がありました。犯人は「風俗業の人間はいなくていい」と供述したとか。
「理由がはっきりある区別は当たり前ですけど、それがない区別は差別になります。でも、今回の判決で感じたこととして、国はこの犯人と同じことをしていると思ってます。
『いらんことをしない方がいい』なんて言ってると、国は偏見を巻き散らし続けるだけになりますよ」

――即日控訴もしたということで、今後も戦う姿勢なのですね。
「はい。風俗業界もこういう動きをするべき時代になっているんだと思います。訴訟を通じて『セックスワークisワーク』の意味が多くの人に伝わることを願います」
<文/もちづき千代子>
もちづき千代子
フリーライター。日大芸術学部放送学科卒業後、映像エディター・メーカー広報・WEBサイト編集長を経て、2015年よりフリーライターとして活動を開始。インコと白子と酎ハイをこよなく愛している。Twitter:
@kyan__tama