その日は、友人としばらく約束を避けていた高木さんが久しぶりにふたりに会いに行き、夕食をごちそうになっていました。
「時間を空けたら元に戻るかななんて思っていたのですが、ほいほい出ていった自分が馬鹿でした」

高木さんの思惑を無視して、友人は今までと同じように高木さんの恋愛についてあれこれと話題にし、「
あなたもまだ先が長いのだし、不倫でもすればいいんじゃない?」と笑いながら言ったそうです。
「この発言に我慢できなくなった」と話す高木さんは、「
もうこの話はやめにしない? 私のプライベートは放っておいて」と初めて強い口調で友人に告げます。
「あなたならこの人の相手でもいい」って、どういう意味?!
すると、友人はむっとしたように高木さんを見て、「
何よ、あなたならこの人の相手でもいいわと思っていたのに。シンママでいろいろ大変なんでしょ?」と言い返したそうです。
「あなたならいいって、どういう意味なんでしょうね。彼女から初めてシングルマザーを馬鹿にするような言葉が出たのもショックだったし、もう無理だなと思いました」
“いろいろ大変”という言葉が今も引っかかると話す高木さんですが、
衝撃は友人の態度だけでなく、その夫にもありました。
このときテーブルには友人の夫も座っていましたが、ふたりのやり取りを見て「おい、やめろよ」と自分の妻に声をかける姿に高木さんはほっとしたと言います。
友人は黙り、それから話題は子どもたちのことに移り何とか場はおさまったものの、高木さんはモヤモヤが晴れずに「もう帰ろう」と考えていました。