71歳、月5万円の年金で暮らす豊かな生活「節約は恥ずかしいことじゃない」
国民年金の平均受給額が約5万円、厚生年金が約14万円というデータがあります。時代には波がありますから、受給額も断定はできません。しかも年金受給開始は65歳、まだ先の話かもしれず、お金について考えるのは苦手という人もいるでしょう。
『71歳、年金月5万円、あるもので工夫する楽しい節約生活』(大和書房)の著者、紫苑さんもそのひとりでした。母子家庭で二人の子供を育て上げ、貯金をはたいて中古物件を購入したのが64歳、やがてコロナ禍に突入し、仕事や日常生活にも変化がおとずれます。人生ではじめてお金に向き合ったのは69歳。「あまりにも遅い目覚めでした」とありますが、現在71歳の姿はとても颯爽としているのです。
お金が遣えない=何もできない、とマイナスに考えがちですが、今あるお金で何ができるか、と考え方をシフトするとどうでしょう。紫苑さんには5つのメリットがありました。本書からまとめてみますね。
①安く美味しく身体にいい食生活で若返った
身体にいい食材は安い。その理由は旬のものしか買わないから。旬のものはおいしく、味付けもシンプルになり、結果、快腸生活になりました。毎月の食費は約1万円です。
②お金への不安がなくなった
食を決めたら、お金を遣うことなくやっていけるメドが立ちました。食生活を筆頭に、衣服や住まいなどほかの部分も見なおしたのだとか。ひとつの成功体験が次へつながったのですね。
③お金の遣いどころがはっきりしてきた
メリハリのある遣い方ができるようになりました。片付けや洋服のリメイク、DIYをはじめるように。買うは一瞬の喜び、作るのはプロセスも楽しく、出来上がったモノは世界にひとつしかありません。
④節約は無理したり、我慢したりしなくても楽しくできるとわかった
「食費を減らす」「生活費を切り詰める」、数字から入ると苦手意識が芽生える節約生活。しかし「安く美味しい食材は何だろう」と、お金を遣わないでできることを模索していくと、ゲーム感覚でできて脳トレにもなりそうです。
⑤将来=死への不安もなくなった
プチプラ生活で体調がよくなり、これでやっていくとの覚悟ができたせいか、見栄をはるどころではないと気づいたせいか、肩の力が抜けて楽になったそうです。不安がまったくない、というと嘘になるといいますが、外側の視線や意見に惑わされず、自分軸で生きはじめたことで、ある種の自信が芽生えたのではないでしょうか。
節約生活はケチケチ生活ではなく、自分にとって何が必要で何が不必要かを見極める生き方なのだと、本書は伝えているのです。
お金を使わないからこそ叶ったこと
将来の不安もなくなった!
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