
小島美羽さんのミニチュア作品
――徐々に認知されることで、孤独死の発見も早くなったのですか?
小島:私が遺品整理人として働き始めた2014年は、孤独死について知られていなかったので、今よりも一人暮らしや離れて暮らす家族を気にする人は少ない印象がありました。孤独死の発見までに平均6~8ヶ月はかかっていました。
ですが、最近ではコロナ禍ということもあってか、離れて暮らす家族との連絡や会いに行く頻度は高い傾向にあります。あくまでも私の経験上ですが、孤独死が発見されるまでは平均して1~2週間、長くても3ヶ月ほどしかかかりません。なので、8年前と比べると倍以上早まっていることになります。
――孤独死が深刻化している現状で、なるべく早く発見するために私たちができることとは何でしょうか?
小島:以前、チラシや飲みかけの瓶が散乱した部屋を再現したミニチュアの作品を制作しました。孤独死に多くみられる一人暮らしの50~60代独身男性の設定です。人と関わるのが苦手な人やあまり外出しない人だと、見かけなくても気にされないケースが多く、死後数ヶ月が経過してようやく見つかることもあります。
周りとコミュニケーションを取ることで、孤独死は防げなくても早期発見につながると思います。なので、もし離れて暮らす両親やおばあちゃん、おじいちゃんがいる人は、連絡してみてください。
【前回を読む】⇒
「孤独死現場の清掃中に見知らぬ男が…」遺品整理人が明かす悪徳業者の存在<漫画>
【前々回を読む】⇒
私が遺品整理人の仕事を選んだワケ。「嫌いだった父の死がきっかけに」<漫画>
<取材・文/Honoka Yamasaki>
山﨑穂花
レズビアン当事者の視点からライターとしてジェンダーやLGBTQ+に関する発信をする傍ら、レズビアンGOGOダンサーとして活動。自身の連載には、レズビアン関連書籍を紹介するnewTOKYOの「私とアナタのための、エンパワ本」、過去の連載にはタイムアウト東京「SEX:私の場合」、manmam「二丁目の性態図鑑」、IRIS「トランスジェンダーとして生きてきた軌跡」がある。また、レズビアンをはじめとしたセクマイ女性に向けた共感型SNS「PIAMY」の広報に携わり、レズビアンコミュニティーに向けた活動を行っている。
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