さらに、子どもの異変は体の内側にも。小児科医院で働く看護師が話す。
「自宅で過ごす時間が増えて運動量が減った影響で肥満が進行し、10代で2型糖尿病を発症する子が増えてきている」

40代以降に発症しやすくなるとされる生活習慣病のリスクは子どもにも及んでいるのだ。済生会横浜市東部病院小児肝臓消化器科の十河剛医師も次のように話す。
「以前実施した子ども向け無料健診では半数に脂肪肝が見つかりました。肥満傾向の中年男性によく見られるもので、放っておくと肝硬変などの病気や動脈硬化が進行しやすくなるのですが、その兆候が多くの子どもにも見られた。高血圧症や、10代で痛風発作を起こした子どもも診ました」
背景にあるのは環境の変化。
「ゲーム機の普及に伴い、30年間で小学生の一日の歩数は半分に減少。塾に通い、帰宅後は食べてすぐ寝るという子も増えた。運動不足と生活リズムの変化は、コロナ禍で加速し、コロナ太りを経て脂肪肝になる子が増えた」
放置すれば、糖尿病や動脈硬化に繋がり、心筋梗塞や脳梗塞を起こす危険性もある生活習慣病。十河医師は予防策として歩数計を持たせることを推奨しているという。
「食生活の改善と適度な運動が効果的な予防策。その運動の目安として一日2万歩を目標にするといいでしょう」
子どもの老化は差し迫った問題だ。今すぐに実践したい。