Kさんから“ただの気楽な友達”と思われていただけだったと気がついた真希さんは、勝手に悔しい気持ちになってきてしまい…。
「『私もこれからデートなんですよ』と聞かれてもいないのに嘘をついたんですよ。もうしばらくデートなんてしていないし、3年以上彼氏もいないのに」
するとKさんからジッと見つめられ、ちょっとした沈黙が。
「私に彼氏がいて残念って思ったのかな?なんてニヤついていたら『これからデートだったら歯についたネギを取った方がいいよ~』と言い残してKさんは手を振りながら去っていきました…恥ずかし過ぎてしばらく動けなかったですね」
すっかり勘違してしまった真希さんは、勝手に失恋気分になってしまい、勢いでずっと行ってみたかったパン屋さんまで遠出をして山ほど惣菜パンを買ったそう。
「自分が間抜けなピエロみたいで悲しくなり、そんな気持ちから逃れようと白ワインを開けて、パンと一緒にガブガブ喉に流し込んだんですよ」
そしていつの間にか寝てしまった真希さんが目を覚ますと、スマホを握りしめていました。

「ん?と、ロック解除したらLINEの画面が出てきて、いつの間にか『私だったら好みや感性が合う人とお付き合いしますけどね』とKさんに送っていて…思いっきり既読ムシされていたんですよね」
酔っていて全くそんなLINEを送った記憶のない真希さんは、恥ずかしさで耐えられなくなり『ギャー!』と叫びながらベッドの上でのたうち回ったそう。
「とにかくKさんをブロックして、この一連の出来事を忘れようと日曜日は一日中ワインを飲んで過ごしました」
それ以来、のどぐろ煮干しそばの行列に並ぶことはなくなり、週末はひとりで白ワイン三昧することが習慣になってしまった真希さんなのでした。
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<文・イラスト/鈴木詩子>
鈴木詩子
漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。Twitter:
@skippop