おおしま:ここまで話を聞いていると、林さんって人との縁が切れることへの耐性が強いというか、人間関係に対する軽やかさがあって大人だなって感じます。達観する秘訣はあるのでしょうか。
林:やっぱり、お店を長くやっていることが大きいです。お店をやっていると、よく来てくれた人がある日突然来なくなることが日常茶飯事です。そこにこだわっていると、気持ちがもちません。
あと、この人がお店に来ると雰囲気が悪くなるなと思ったら、こちらから出入り禁止にするしかないこともあります。こういう人づきあいを続けていたから、今のスタイルができ上がったんだと思います。
おおしま:人と繋がることも切れることも日常茶飯事だからこそなんですね。それを踏まえると、今の友達関係で悩むということは、新しいつながりが不足しているサインかもしれませんね。
林:固執しないような意識はできた方がいいですね。僕の場合は、そう安くないお金を払ってバーに来てもらっているので、「お金を払っているのに、あそこのお店には変な人がいる」って思われちゃいけないというのがベースにあります。だから、問題のある人はこちらから縁を切るし、逆に突然来なくなった人も追いかけたりはしません。
友達関係ってシンプルに考えると、
知り合いだからといってこれから先もずっとやり取りするわけではないし、相手と自分が今どれだけ合うかだけだと思うんです。そう考えれば、絶対合わないって人も出てきます。だからこそ、固執しないことが大切なのではないでしょうか。
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友達づくりの上手な人が“やらないこと”とは。バーのマスターに聞いて納得
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林伸次さん】
渋谷のワインバー「
BAR BOSSA(バールボッサ)」店主。中古レコード店、ブラジル料理店、ショット・バーで働いた後、1997年「BAR BOSSA」をオープン。バーを経営する傍ら著作家としても活躍している。著書に『恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる。』(幻冬舎)など。
<取材・文/おおしまりえ 写真/林紘輝>
おおしまりえ
コラムニスト・恋愛ジャーナリスト・キャリアコンサルタント。「働き方と愛し方を知る者は豊かな人生を送ることができる」をモットーに、女性の働き方と幸せな恋愛を主なテーマに発信を行う。2024年からオンラインの恋愛コーチングサービスも展開中。X:
@utena0518