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キングオブコント王者ビスブラに見る「賞レースで食い込むコツ」とは?元R-1ファイナリストが指摘

ほぼリズムネタで駆け抜けた1組目のクロコップ

――優勝者以外で、とくに印象に残ったネタがもしありましたでしょうか? <クロコップの「ホイリスト」は、1組目として非常に良かったですね。ほぼリズムネタと言ってもいいと思うのですが、リズムネタは、始まってから微妙な演技の緩急で観客との温度差を調整しにくいんです。 しかし、その心配もなく、ひとつ目のくだりからきっちりハマり、最後まで盛り上げながら駆け抜けました。 あのネタの最も素晴らしいところは、ゲームが成立していることです。もし、コントじゃなかったとしてもゲームができてしまうんです。そこに説得力が生まれていて、小手先の笑いを取るために変なボケを入れたり、矛盾が生じてしまったりすると一気に冷めてしまいます。 たまたまゲームをしていた2人を見たら、たまたま面白かったという世界。 とにかく自分たちの好きなことをやり通していました。 若手芸人によくあるのですが、賞レース対策を考えた結果、賞レースから遠ざかってしまうことが、ままあります。いわゆる「寄せる」ってヤツですね。 賞レースを意識して「寄せて」いたら、普通、ヘリでは帰りません(笑)。そこも高評価につながってしまう、お笑いが表裏一体で難しいところです。 1組目は、賞レースにおいて不利と言われるのでそこは口惜しく感じましたが、クロコップが1組目だからこそ、今大会は盛り上がったとも言える、歯がゆいところです>

「最高の人間の2本目」Twitterでトレンド入り

――大会終了後、Twitterで「最高の人間の2本目」がトレンド入りしました。9月1日2日に行われたキングオブコント準決勝で、最高の人間が披露したネタは見た人たちに強いインパクトを残し「決勝で披露してほしかった」という声があり、他にもニッポンの社長について同じ声があがりました。このあたりの、強いネタをファイナルステージに残す作戦は、賞レースの戦い方としていかがでしょうか? <最高の人間の2本目は、個人的には私も決勝の舞台で見てみたかったです。準決勝で拝見した限り、真の意味でギャンブル性が高いネタだったので、それが当たるか当たらないか…、もし当たったら、優勝確定になるだろうなと思っていました。 2本目に強いネタを残したまま1本目を勝ち上がる、もちろん、これが理想です。 数年前までは、1本目どうにか勝ちにいって、2本目で息切れしてしまう展開もありました。(たまたまハマらなかった例もあると思いますが) しかし、最近は本当にレベルも上がっていて、2本強いネタを用意できる組が増えたように感じます。 また、作戦の話とはややそれますが、キングオブコントは「準決勝で2本ネタを披露し、決勝もそのネタにする」という特性があります。これは、コントは漫才以上に、音響・照明・カメラワークなど、演出上スタッフとの連携が必要であるから、と個人的には推測しています。結果として、その演出の細やかさが、番組の盛り上がりに一役買っていると思われます。 そして、この特性の副産物として「準決勝を2日間見た人は、2本目のネタを知っている」現象が生まれ、このことが、SNSを盛り上げる要因のひとつとなっていますね。>
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賞レースで上位に食い込めるコツは?
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