シオリーヌさんは、有給休暇も含めて長く休暇を取れない人もたくさんいることを前提にした上で「長く取れたら助かることしかないなって思う」と断言します。
「そこで育児技術を身につけておくのって、子とものためにも絶対いいと思うんだよね。いつも元気でピンピンしてるとは限らない。いつどちらかが怪我したり、病気したりするかわからないわけで、そういう緊急時に子どもの身の安全を守ることができるのって、とても大事なことだと思う」(シオリーヌさん)
つくしさんは、育児スキルの習得度合いにギャップがあることで生まれてしまう問題についても言及します。
「主に育児をしているほうと、そうじゃないほうで育児の習得度合いが違う。このギャップでかなりストレスを感じるってケースもたくさんあると思うし、よく知っているほうがあまり知らないほうに教えなきゃいけないっていう状況は、めちゃめちゃ大変。余計な負担になっているっていう話もすごくたくさん聞く。やっぱり、できるだけフラットに。どっちが担当でも同じことができるように、できるだけ早い段階でしておく必要があるなっていうのはすごく感じる」(つくしさん)

つくしさんの手料理を食べているシオリーヌさん
では、育児をする際はどのような関係性でいるとストレスが生まれにくいのでしょうか。
「上司と部下みたいな関係性になっちゃって、わからないことを『これってどうしたらいいの?』っていつも聞くみたいな関係性になるってよく聞いたりする。だけど、一緒に調べて、一緒に練習しながら、一緒にステップアップしていけると、チームとしてやってる感が出ていいんじゃないかなと思うけどね」(シオリーヌさん)
「たくさん知ってるほうも、全部初めてやっていることで、別に最初から知っているわけじゃないんだよね。フラットな関係性の“共同運営者”という前提にしていかないと、どんどんすれ違っていくような気がします」(つくしさん)
さらに子育てスキルのギャップが、夫婦関係にも影響してくる可能性にも触れました。
「ギャップがどんどん開いていくと、パートナーシップも危うくなっていく気がするよね。お互いへの信頼関係が崩れていくというか、すれ違っていく理由にもなったりするんじゃないかなって思う。だから歩みを揃えるって大事だね」(シオリーヌさん)
「産後うつのリスクも高まるし」とつくしさんは警鐘を鳴らしました。
育休を取ろうと考えている方へ 育休は取れるだけ取ろう!
最後に、育休を取ろうと考えている人に伝えたいことについて、2人は次のように話しました。
「もし誰かに『育休って最低どれぐらい取ったらいいですか?』って聞かれたら、どういうふうに返したらいいかなって考えたりしていたんだけど、最低とかじゃなくて『できるだけ長く』って答えようと思ってる。最低とかじゃない。取れるなら、取れるだけ取ったほうがいい。できるだけ少なくとかじゃなくて、いるならいるだけ助けになるんだから」(つくしさん)
シオリーヌさんも育児は「人手は、多いに越したことはない。子育てに関しては、大人はいる分だけいい」と述べ、こう締めくくりました。
「ぜひたくさんの方に育休とか考えてほしいなって思うし、もし育休取っていいよって言う側の人が動画を見てくれていたら、『育休取りたいんです』って言われた時にはどうか嫌な顔一つせずに『いいよ』と言ってほしいなと思います。そうすることで幸せな子どもが社会に増えると思います」(シオリーヌさん)
2022年に厚生労働省が発表した調査(令和3年度雇用均等基本調査)によると、女性の育児休業取得率は85.1%であるのに対し、男性の育児休業取得率は13.97%。10月から「産後パパ育休」制度がスタートしたとはいえ、実際に普及が進んでいくかどうかはまだわかりません。今後の動向にも注目したいところです。
<文/るしやま>