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吉沢亮の“水もしたたるいいい男”っぷりがたまらん。月9ドラマ『PICU』で引き立つ魅力

 吉沢亮が、フジテレビドラマの金看板「月9」に、初出演にして初主演を果たした『PICU 小児集中治療室』が、毎週月曜日よる9時から放送されている。
『PICU 小児集中治療室』公式サイトより

『PICU 小児集中治療室』公式サイトより

 吉沢が扮するのは、北海道の病院に新設された小児集中治療室・通称PICUに転属された半人前の小児科医・志子田武四郎。現実の医療現場の問題が反映さた最新医療物ドラマで、彼は錦を飾ることができるのか。 「イケメンと映画」をこよなく愛する筆者・加賀谷健が、“水もしたたるいい男”としての吉沢亮がとことん引き立つ本作の描き方を読み解く。

視聴者を釘付けにさせる優雅な力技

 吉沢亮。この涼しげな名前の響き。名前に決して負けない、この涼しげな顔立ちと佇まい。これから小児科医になろうとする主人公・志子田武四郎が、山間の水辺にボートを浮かべて、オールを漕ぐ表情には、汗ひとつしたたらない。武四郎がボートを陸地に引き上げようとすると、彼のボートだけが水辺に押し戻され、彼の身体は浅瀬に投げだされる。  幼馴染みの涌井桃子(生田絵梨花)、矢野悠太(高杉真宙)、河本舞(菅野莉央)の3人とじゃれ合って、水を掛け合っても、なおのこと、水滴のひとつも武四郎の顔を濡らそうとはしない。水がまるで吉沢亮を避けているかのように。水がしたたらないとしても、吉沢亮は、いい男だということだろうか。  舞台は、北海道。北の大地に青空が大きく広がり、畑の間に道路がまっすぐ伸びている。ボートから今度は自転車に乗り換え、友人たちより前を走っていた武四郎が、ふと立ち止まって振り返る。北海道の秋の空気は澄み切っている。吉沢の吐息が艶(なまめ)かしく、画面から伝わる。  彼は、一台の車が来るのをみつめ、後部座席で汗だくになって苦しい表情を浮かべるひとりの少女を見送る。彼の涼しげな視線。吉沢がまとう俳優としての特性をここまで印象づけながら、第1話冒頭から、視聴者をすぐに物語の世界へ釘付けにさせる。そんな吉沢の優雅な力技だ。

若手きっての実力派として

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 吉沢は、意外にも本作が「月9」作品初出演で、しかも初主演だという。日本のテレビドラマの視聴率低迷が叫ばれる中、例外的に高視聴率が期待できる医療物で、初主演を飾るあたり、鳴り物入り感は否めない。鳴り物入りとは言っても、フタを開けてみたらこれはちょっと残念な作品とはならない。いやそうはさせないのが、実力派・吉沢亮の本領発揮と映る。  ここで映画界での吉沢の大活躍を振り返っておくと、彼の俳優としての正確無比なスタイルは明らかとなる。山﨑賢人が少女漫画を原作としたいわゆる「きらきら映画」に立て続けに主演していた頃、二階堂ふみと共演した『オオカミ少女と黒王子』(2016年)で吉沢は、山﨑が演じたイケイケな王子様キャラとは対照的に、何とも頼りないオタク男子役を好演した。でもひとたびメガネを外せば、そりゃ容顔麗しいイケメンフェイスの輪郭が浮き上がっていたのは無理もない。  実際、同作公開当時に二階堂が命名した吉沢の異名は、「平成のアラン・ドロン」だった。フランス映画界の至宝アラン・ドロンは、古今東西、今も昔も美男子の代名詞的存在。  その名を引き合いにだされた吉沢は、つまり日本一のイケメンの称号を与えられたも同然。国宝級イケメンとしはすでに殿堂入りを果たしてもいる。今年の夏に封切られた『キングダム2 遥かなる大地』(2022年)の前作『キングダム』(20195年)では、一人二役を演じ分けながら、中華を統一する王になるべく助演ながら孤高の存在感を放っていた。同作での演技力が評価され、ブルーリボン賞と日本アカデミー賞で助演男優賞を受賞。若手きっての実力派としてスクリーン上に深く印象づけた。
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イケメンフェイスの小児科医
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