「女の子いると華やぐから」と接待に呼ばれ続け…退職を決意する“事件”が起きた
男女平等やジェンダーレスが当たり前のように叫ばれるようになったのは最近の話ですが、まだまだ感じる「男女差」は枚挙に暇がありません。特に古い体質の企業であればあるほど、男女差が埋まりづらいのはなぜなのでしょうか。
今回話を聞いたのは、ある企業で営業職として働いて樋口良子さん(28歳・仮名)。同じ営業部署のメンバーは樋口さんと女性2人以外は全員男性で、体育会系な雰囲気の職場だったといいます。
「私は部活動も体育会系で男子ばかりだったし、男兄弟の中で育ったので、正直男社会で働くことに何の抵抗もありませんでした。むしろ女社会のギスギス感よりよほどマシだと思っていたんです。雑用などを任されることはあっても、日中の業務においては、女性として不当な扱いを受けていると感じることはありませんでした」
雑用や面倒な仕事を任されることについては「男女関係なく、まだまだ20代で下っ端の立場である以上仕方のないこと」と思いながら働いていた樋口さん。ですが、引っかかることがひとつだけあったのです。
「なぜか、頻繁(ひんぱん)に会食に誘われるんです」
「会食も私の関わっている顧客ならまだしも、全く関係のない顧客との飲み会にも『女の子がいた方が華もあってお客様も喜ぶから』と誘われることがかなりの頻度でありました。会社のお金で美味しいお酒やご飯を食べられるのは嬉しいと最初は思ったのですが、“女性だから”という理由で呼ばれることにはモヤモヤしていました」
ただの会食だけであれば良かったものの、エスカレートすると「これ大丈夫なの?」と思うこともあったようです。
「やっぱりお酒が入る場なので、会話の内容がグレーな時もありました。『彼氏はいるの?』『脚細いね、もっと見せて』などセクハラをされたこともあります。でも会社の大切な顧客なので強く言い返せないし、周りのメンバーも同様の状態で守ってくれないし、笑いながらその場をごまかすしかありませんでした」
愛想が良く、お酒もそれなりに飲める樋口さんは他にも嫌な思いをすることがあったのだとか。
「会食後に顧客をタクシーで最後まで送る係を任されたり、会食が終わった後に飲み直したいと顧客に誘われたら付き合ったり。そういう役割を任されることもしばしばでした。暗黙の了解で『私が女だから当然の役割』になっていたことは明らかです」
こんな扱いを受けたら、どんな女性も不快になるのではないでしょうか?
担当外の仕事の“会食”に駆り出される
「脚細いね、もっと見せて」などのセクハラも

1
2