―― 一方で、ひとり親家庭の方がこの動画を見ると、また違った感想を持つように思います。「子育ては期間限定」ですが、ワンオペであるからこそ関わりを持つ時間が少ないからです。今回のこの動画でひとり親家庭の方からの反響など何かありましたか?

WEB動画『「パパ検定」~世界一簡単な問題です~』より
白水:YouTube動画のコメント欄にもひとり親家庭の方からのコメントを色々といただきました。広告動画とはいえ誰かを不幸にするような影響は与えたくないと思いながらも、いろんな立場の方が見て、引っかかってしまうのは申し訳ないと思っていました。
そんななか、ひとり親家庭の子どもとして育った方から「自分が親になった時に、子どもとの時間を作ってあげられる親になりたいと思えた」という言葉をいただき、そういった捉え方をしてくれる方がいることを嬉しく感じました。
山本:長崎県にもいろんなご意見をいただきました。この動画のコンセプトの大前提として、まずは父親である男性にその父親であること楽しんでほしい、男性の背中を押す、ということを今回は目指しています。そこから様々な意識が変わっていくきっかけになればと。

WEB動画『「パパ検定」~世界一簡単な問題です~』より
――そうですよね。いろんな立場の人に、いろんなメッセージとして届いた動画だと思います。今後、「パパ検定」に続くシリーズ動画のようなものを作るご予定はありますか。
山本:自分が聞く限りは長崎県庁内でそのような動きはなさそうですが……。「パパ検定」動画のおかげで、行政っぽい動画だけでなく、
このような胸に響くエモーショナルな動画も効果があるのだと、長崎県庁内で認識を共有できたことはいい機会だったと思います。
白水:私たちも機会があればこういった動画などを企画・演出していきたいと思っています。
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人の心を動かすのは、人の心。「パパ検定」は、子どものいる家庭だけへの問題提起ではなく、かけがえのない家族との時間や地域や社会との繋がりについて考えるきっかけとなる動画なのだと思います。
うちにはパパがいないしとか、私は子どもがいないし……と思わずに、皆さんで何かを感じ取ってみてはいかがでしょう。
<取材・文/河合桃子>
河合桃子
1977年、東京都生まれ。男性週刊誌の記者をしながら、気になった女性ネタを拾って書いたりしてます。2児を育てるシングルマザーでもあります。