ギネス認定の4歳の歌姫「ののちゃん」の歌を聴くと心が痛む理由
2歳5ヶ月での看板商品「いぬのおまわりさん」から変えられない
さらに今の時代はテレビだけではありません。ネット、SNSを通じて、“ヒット商品”がまたたく間に伝播(でんぱ)していきます。瞬間最大風速的な売り上げはその人自身と即座に結びつけられ、その場その場でキャラと価値が定められる。 2歳5ヶ月の歌は、そうした秒単位の取引によって成功を収めました。それゆえに、“ののちゃん”の看板で歌い続ける限りは、歌の型を変えることが出来なくなります。いわば纏足(てんそく。昔の中国で行われた、女性の足を小さくするために、幼いころから足の指を裏に折り曲げて布できつく縛り、発育をおさえた風習)のような制約の中でしか生かされない歌になってしまいました。
「崖の上のポニョ」大橋のぞみとは逆
石黒隆之
音楽批評の他、スポーツ、エンタメ、政治について執筆。『新潮』『ユリイカ』等に音楽評論を寄稿。『Number』等でスポーツ取材の経験もあり。いつかストリートピアノで「お富さん」(春日八郎)を弾きたい。Twitter: @TakayukiIshigu4
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