
「何その手、って言ったらその女はパッと手を離してどこかに逃げようとしました。追いかけようとしたけど人がすごすぎてもう追えず……彼の方を見たらもう、冷や汗かきまくりでガタガタ震えていました。おみくじをちらっと見たら大吉でしたね。お正月早々浮気のバレた男が大吉とか笑える……って思いながら、とりあえず彼と家に帰りました」
帰り道、ずっと無言だったという千晶さん。彼氏も何も話さず、先ほどまでつないでいた手をほどいて、とにかく黙って帰り道を急ぎます。
「大みそかから私の家に泊まっていて、彼氏の荷物もうちにありました。だからどっちにしろ同じところに帰らなければいけなかったんです。最悪ですよ、今すぐ消えてくれって思ってました。しかも彼のスマホがずっと鳴ってるんですよね。多分浮気相手からの電話だろうなって思いつつ、無視していました」
そして帰宅した千晶さん、帰り道の間一切謝らず、何も喋らなかった彼への怒りがついに爆発します。

「まず謝れば?!ってぶちぎれました。だって彼女と浮気相手と3人で初詣に来てたんですよ? いつからあの女がいたんだって言ったら、
参拝の列に並んだ時にたまたま隣にいてとか言ってましたけど……多分タイミング合わせてたんでしょうね。ずっと彼氏がスマホで誰かと連絡とってたの覚えてますから。親だよって言うので気にしてませんでしたが、本当は浮気相手だなんて……想像できるわけないですよ」
さらに彼のありえない発言が続きます。
「お正月だから縁起悪いし落ち着いて、って言われたときは思わず手が出そうになりましたね。そういう行動をしたのはそっちでしょうって。もうかける言葉も見つからなくなって、早く出てけって怒鳴りました」
結局許すことはできず、そのあとすぐに別れたという千晶さん。後にも先にも、あんな年明けはあれっきりだろうと話していました。
―シリーズ「年末年始・帰省のトホホ」―
【他のエピソードを読む】⇒
「実録!私の人生、泣き笑い」の一覧へ
【あなたの体験談を募集しています!】⇒
心がほっこりした「ちょっといい話」、ありえない!「びっくりした話」「ムカついた話」、人生最悪の恋愛を募集中!(採用時に謝礼あり)ご応募はここをクリック
<文/横山すじこ>