
「仕事の話は専門用語が出てくるとよくわからなかったですが、みなさんが私に気を遣ってくれました。職場の話よりも、実家の話や趣味の話題をしてくれたので楽しかったですね。
実家が遠い方が多かったです。『青森の実家から毎年りんごが来るんで、今度持ってきますよ』と言ってくれる好青年が好印象だったな。あと、ずっと学生時代にバスケをやってきた方とは、スラムダンクの話をしましたね。私もスラムダンク世代なので、安西先生のモノマネで盛り上がって(笑)
はじめて会った夫の職場の人たちでしたが、こんなに賑やかで楽しい職場で仕事ができたら楽しいだろうなーってなんか安心しました。思えば、夫の職場自体もまったく見たことがなかったので、とても新鮮でしたね」
バーベキューで焼きたてのお肉やお酒を飲みながら、磨紀さんも楽しい時間が過ごせたと語ります。ですが、そんな楽しい時間はあっという間に過ぎ、とある出来事が起こります。
恐怖の事件は洗い場で起こったのです……。
「男性陣は大きなコンロやテーブルの撤去をして、広場でうちの子と遊んでくれていました。虫が好きなので、トンボを追いかけて帽子を投げて転んで……。また投げてって。あちこち動き回ってたな~」
その間、磨紀さんと参加者で唯一の女性K子さんは、お皿や小物の洗い物に回ったそう。
「なんとなくそんな流れになって。K子さんと2人で洗い場に並んで作業してましたね。私も久しぶりに楽しいお酒が飲めて……。そうだなぁ~あの時は、ちょっと浮かれていたのかな」
洗い物をしながら、K子さんは磨紀さんにこう言ってきました。