「それにね、一瞬だけど愛を感じる相手も多々いるんですよ。恋愛感情ではないの。人類愛みたいなもの。体を交えているだけではない、何かが行き交う感じ。それがうれしくて、夫よりむしろ私のほうが行きたがるようになりました」
一瞬の愛。それはおそらく、
相手の肉体と精神へのリスペクトなのだろう。主宰者がきちんとしていれば、パーティの掟は厳しい。女性の嫌がることはしてはいけない、選択権は女性にある、なにより女性を喜ばせることを男の喜びとすべし、などなど。
スワッピングやグループセックスは掟が厳しいほど女性にとっては安心なのである。それがわかっている主宰者や参加者は女性に心地いい環境を作るために努力を惜しまない。

写真はイメージです(以下同じ)
「ああいうところに行っていると、いろいろ“目標”ができるんです(笑)。当時の私は、人数にこだわりをもってしまって、一晩で20人としてみたいと思っていた。心身ともに整えて、一晩がかりで目標達成したときはうれしかったですね。
数を数えていた夫なんて涙目になって……。バカバカしいけど、今となってはいい思い出。私は虚しいとは思わなかった」
それはキヨミさんが、それを遊びととらえていたからだろう。本気で快感がほしいと思って通っていたら、違う印象をもっていたはずだ。
「ただね、すべて終わってから20人の男性たちが『お疲れさま』『ありがとう』と声をかけてくれたんです。
なんかもう、人類みなきょうだいというかほのぼのとした愛情に包まれている気がしました。セックスしたら諍(いさか)いは起きないですよね。私もかつてはセックスは恋愛感情がなければできないと思っていたけど、そうではなく、もっと広い愛をもってするセックスもあるんだと知りました」
夫がそこで他の女性としたときも、「よかったね」と声をかけた。夫がその女性にほのかな愛情をもっているのを知っていたからだ。