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――猫にもモデルはいるのですか?
花房「彫刻を始めたばかりの時は、猫の形を見るために飼っている猫をモデルにしていましたが、今は特定の猫をモデルにしていません。今まで、何百匹と猫を作ってきた中で『鼻筋がスッとした子はこんな感じ』『猫っぽいキリッとした目の子はこういう形』、みたいなイメージが自分の中に蓄積されているので、それをもとに作っています。全部が同じ顔にならないように、いろんなジャンルの猫の顔を混ぜて作っています」
――作品のテーマは、最初に考えているのでしょうか。

「作っているうちにちょっとずつ見えてきます。タイトルも作りながら考えます。栗を掘っていたとき、『りんごには、津軽とかふじとか名前があるのに栗にはないなぁ』と思い、栗にも『栗谷くん』『栗山くん』などの名前をつけて彫っていきました。
アイドルにもかわいい系やおもしろい系などいろんなタイプがいるみたいに、栗にも個性があるなと思い、名前で遊びながら掘りました」

――ネコノ農園以外にも、猫が猫を売り歩く「寄ってらっしゃい、見てらっしゃい」など、不思議な猫ワールドの作品がたくさんありますね。
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「寄ってらっしゃい、見てらっしゃい」
花房「はい。『寄ってらっしゃい、見てらっしゃい』は猫の行商の親分が、子猫を売っている作品です。私の中にある『おかしい』という気持ちが、これらの作品を作る動機の一つになっています。『
ペットショップで猫を売り買いするのが嫌だな』という気持ちや『
人間だからという理由で、動物に何をしてもいいの?』という思いを作品に込めることもあります。『人間がかわいいと認めた猫以外は、生きちゃいけないの?』『人間社会からあふれてしまった猫は、どうして殺処分などのひどいことをされるの?』と、皮肉を込めています」