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「芸人にリスペクトがない」お笑い賞レースが“改悪”で物議?M-1卒業組の活躍の場は

 昨年末、ウエストランドの優勝で幕を閉じた『M-1グランプリ2022』(テレビ朝日・ABC系)。平均世帯視聴率が17.9%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)と高視聴率を記録し、王者・ウエストランドが年末年始のテレビ番組に引っ張りだこになるなど、その影響力は半端ではありません。まさに年末の国民的人気行事になったと言っても過言ではないでしょう。
画像:『M-1グランプリ』ABCテレビ・テレビ朝日公式サイトより

画像:『M-1グランプリ』 公式サイトより

 この『M-1』を含め、芸歴10年以内のピン芸人を対象とした『R-1グランプリ』(フジテレビ・カンテレ系)、コントの王者を決める『キングオブコント』(TBS系)、女性芸人No.1を決める『女芸人No.1決定戦 THE W』(日本テレビ系)がお笑い界の4大賞レースと言われています。  これらの賞レースは、地上波のゴールデンタイムに決勝が放映され、チャンピオンになると多くのテレビ番組に出演し、成功のチャンスをつかむことができるもの。そんな中、近年この4大賞レースに割って入ろうとばかりに、いくつかの賞レース、しかも『M-1』出場資格を失ったベテラン向けのものが多く創設されています。

『G-1』は芸歴15年以上が対象、“ネタ以外も審査対象”ルールに物議

 12月の初旬に発表されたとある賞レースに関するニュースがお笑いファンの中で物議をかもしました。
画像:G-1グランプリ公式サイトより

画像:G-1グランプリ公式サイトより

 芸歴が15年以上の埋もれた“お笑い強肩(きょうけん)=ジカタNo.1”を決める大会として昨年度、初開催された『G-1グランプリ(ジカタNo.1グランプリ)』。第1回には、いまや売れっ子のなすなかにしや2022年『キングオブコント』3位のや団などが出場し、業界内外でも話題を呼んだ大会です。なんとそれが今年から『崖っぷちNo.1グランプリ』と改名し、ルールなどの開催概要を大幅に変更すると発表されたのです。  公式HPによると名称以外の変更点として「ネタ以外の崖っぷち具合(キャラクター)も審査対象」、「芸人ではなく制作者が審査」、そして一番物議をかもしたのが「事務局が指定した公式Twitterアカウントのツイートを指定日時に10回引用リツイートしないと失格」という点でした。

実力派の大会だったのに…芸人からも戸惑いの声

 これに関してはSNSでも「プライドを持っているはずなのに崖っぷち扱い。芸人さんにリスペクトがない」「崖っぷちという呼称で芸人に過剰なドキュメンタリーとかドラマティックを塗りたくるのはどうか」「実力派芸人を選ぶ大会から、テレビで消費しやすい一発屋を選ぶ全く違った大会になった」と、非難の嵐でした。 『R-1グランプリ』決勝進出経験のあるピン芸人・寺田寛明さんも、「G-1グランプリ、『引用リツイートしないで全組失格になろう』ってみんなで示し合わせたのに裏切り者が300万を手にしてライアーゲームみたいになってほしい」と、ツイート。  ベテランのテレビ制作者がふんぞり返って崖っぷちの芸人を上から目線で審査する姿を想像でき、まるで韓国ドラマ『イカゲーム』のようだと表現するお笑いファンもいるほどでした。
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他にもあるベテランのための賞レース。45歳の優勝者も!
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