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米人気歌手が「私は日本人」発言で炎上、“原宿ラバーズ”への批判をうけ

SNSで広がる困惑の声。担当記者も不快感

 グウェンの発言への反発が強まるなか、この記事を担当したフィリピン系米国人のCALAOR記者も、彼女のコメントに不快感を示している。米国内のアジア系住民に対する差別が激化するなか、アジア系のルーツを持たない白人のグウェンが「私は日本人」と主張したことに納得がいかなかったという同記者。「この創造的なコミュニティーの一員だと言っておきながら、痛みや恐怖を伴う部分には関わらずに済む。そういう人をうらやましく思う」と皮肉交じりに語っている。
 SNSでは「彼女はアジア人女性を利用している」という意見もあがり、困惑や怒りの声が広がっている。  一方で、有名人ジャーナリストのメーガン・ケリーは、「グウェン・ステファニーは、『自分が日本人である』と事実を偽ろうとしたわけではない。彼女が言おうとしていたのは、自分の魂のなかに、その国の人々や文化とのつながりがあり、それらがいかに美しいものであるかということ。アリューア誌の記者は間抜けよ」とコメント。グウェンに理解を示したうえで、インタビューでの発言をセンセーショナルに報じた記者を非難した。  一般のネットユーザーからも「彼女に悪意がないことは100%明らか」「バカげてる。グウェンは日本文化に深い親しみと愛情を持っていることを伝えようとしただけ」といった擁護コメントが多く寄せられている。

日本国内での反応は?

 では、日本国内ではどう受け止められているのだろうか? 今のところ、少なくともネット上では、グウェンの発言に反発する意見はあまり見られない。むしろ「日本愛を語った彼女の発言がなぜ批判されるのか、よく理解できない」といった声が多いようだ。今回のように、海外で「文化の盗用」だとして批判されても、日本国内で問題視されないことは過去にもあった。  たとえば、世界的歌姫のアリアナ・グランデが左手のひらに日本語で「七輪」と記されたタトゥーを入れたことがあったが、これも「文化の盗用」として米国内で批判を浴びた。これは、彼女が新曲のタイトル「セブン・リングス(7 rings)」を日本語で刻印しようとした際、「七」「輪」と直訳したことで「七輪」になってしまったといわれている。このとき、ファンから「意味が違ってるよー?」と指摘する声がネット上で相次いだものの、日本人の怒りを買うことはなかった。  また数年前には、ファッション誌「VOGUE」に白人モデルのカーリー・クロスが芸者風スタイルでうつっている写真が掲載され、海外で物議を醸した。これを受け、カーリーはSNSで「文化の盗用をしてしまいました」と謝罪。しかし、日本国内では「何が問題なの?」「キレイだと思うけど」といった好意的な声が多く、この写真を日本人や日本文化に対する偏見と受け取った人は少なかったといわれている。
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震災後に語っていた「日本の人々と文化への感謝と敬意」
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