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NHK『大奥』は男色事情が気になる。片岡愛之助の“BLハーレム状態”に妄想も

大奥に上がる前、最後の純白を捉えるカメラ

 家の状況を見兼ねた祐之進は、伯母のツテを借りて大奥に上がることになる。それを知った信が飛んで駆けつけてきて、祐之進を詰問してにじりよる。このご時世、状況が状況だ。仕方がない選択だと釈明する祐之進の表情がなんだか曇っているというか、さっきまでの中島くんの白さを感じないなと思ったら、逆光で顔がはっきり見えないからだった。  この逆光、彼が本来持つ色白さを肌の黒さに変える。大奥に上がる決意をした祐之進はもはや以前の彼とは違うことを照明の繊細な加減で描く。ここは武士らしく覚悟を決めたとはいえ、まだまだ純情な若ざむらいではある。信の好意に対しては相思相愛の間柄だ。 「柄じゃない」と憤る信をなだめるように祐之進は彼女の唇を自分の唇でふさぐ。若侍といいなづけとのキス(いやここは古風に接吻か)。接吻の瞬間、逆光の位置から反対側に切り替えしたカメラが、頬に日の光を浴びた中島君の白い顔半面を捉える。これが、大奥に上がる前、最後の純白ということか。

脱毛男子か剛毛自然体男子か

 大奥では将軍の姿を拝むことが出来る御目見え以上とそうではない御目見え以下に身分が厳格に分けられている。旗本出身の祐之進が位置付けられたのは、御目見え以下の最上位。控室に通された途端、先輩連中からの洗礼をさっそく浴びることになる。  ここで冒頭でちらっと覗いた足が画面にもう一度映る。若衆頭の男に足を見せろと言われ、言うとおりに足を見せると、今度は足の毛を剃れと剃刀を渡される。ほほお、現代では数年前から若い男性の脱毛がブームだが、この江戸の世界でも身奇麗な脱毛男子が好まれるのか。いやいや、これはただのからかいに過ぎなかった。  田舎者呼ばわりされ、江戸っ子心に火がついた祐之進は先輩相手にどつきあいをはじめるかと思いきや、最古参の杉下(風間俊介)に制止され間一髪。杉下の足には毛がぼうぼう。江戸の将軍は、果たして脱毛男子か剛毛自然体男子か、どちらを好むのか、気になるところだが。
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藤波をキングとする大奥ハーレム
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