
「それだけじゃないんです。そのうち、隣の部屋から変な音が聞こえるようになりました。多分、それも宇宙関係の儀式のようなものだったんでしょうね」
隣の部屋から聞こえたのは、壁を爪で引っ掻く音だったそう。しかもその音は、一定のリズムを保っていたとか。
「上から下に向かって、コツコツ、キーーーーーッ、ガリガリ、キーーーーーーッみたいな感じ。壁を挟んですぐそこで、隣人がそれをやっていたんですよ。あの時はほんとに怖かったです」
奈々さんは翌日、アパートの管理会社に連絡したものの、『そういう趣味とかだと、うちでは踏み込めないのでね。できる限りのことはしますが』と塩対応だったそう。
こうして、引っ越して3ヶ月ほどしか経っていない、当時のアパートから出ることを決めた奈々さん。
「もう、ほんと怖くて引越し日まで震えながら生活していました。毎日引越しの荷造りをして、なんとか気持ちを紛らわせて過ごしましたね。あの時は引っ越しが続いたので、貯金もだいぶ減ってしまったけど、それどころじゃなくて。あんな恐怖は二度とごめんです」
現在、奈々さんが住んでいるのは鉄筋コンクリート造りのマンション。管理会社も大きく、管理人も常駐しています。
「家賃をケチるとヤバい人に出会う確率が高いんだなって学んだので、あれから毎月の貯金額を減らしました。家賃は当時の2倍になってキツいけど、快適な生活ができているので満足しています」
引っ越した今の部屋も、隣にどんな人が住んでいるのかは分からないようですが、管理面や壁の厚さによる安心感は大きいようです。もう木造アパートでの生活には戻れない、と語る奈々さんでした。
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<取材・文/maki イラスト/ズズズ
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