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NHK『大奥』、仲里依紗の“圧倒的な存在感”がスゴすぎ!初時代劇とは思えん

時代劇初挑戦の仲里依紗、ド派手な着物で圧倒的な存在感

時代劇初挑戦の仲里依紗、ド派手な着物で圧倒的な存在感

(C)NHK

「没日録」を読む吉宗とともに、私たちも、“当代きっての色狂い”こと五代将軍・徳川綱吉公の世へ。社会は女性たちが回し、人気の役者・市川團十郎も女性である。そして現れた仲里依紗演じる綱吉の煌びやかなこと! 芸歴20年を超える仲は、その演技力への評価も高いが、意外なことに時代劇は本作が初となる。だが色とりどりのド派手な着物を着こなし、負けないどころか、綱吉(女性名、徳子)のパワーに変えていてさすがだ
“能”のシーンが非常に美しかった

(C)NHK

 しかし自由気ままにふるまっているようでいて、綱吉もまた、世継ぎを生むことにがんじがらめにされている人。そんな綱吉が、大奥の外に「狩り」へと出かけた際の“能”のシーンが非常に美しかった。女性の地謡、お囃子のもと演目「小鍛冶」が、プロの能楽師によって舞われた。撮影には綱吉時代の能面師による、本物の貴重な能面が使われたとのこと。また「小鍛冶」は“相槌を打つ”の言葉を広めたとも言われ、綱吉と息を合わせる人、さらには“刀”というキーにおいても、柳沢吉保(倉科カナ)にかけているように思われた(※桂昌院・竜雷太とのシーンに登場した刀傷には、あるエピソードがある)。  また、能のシーンでは炎が使われたため殊更目立ったが、本作では陰影を強調した映像が印象を残す。たとえば第2話でも、有功が素振り1000回を成し遂げ、道場の中央で果てた際の、闇に覆われたかのような演出が見事だった。

仲里依紗×山本耕史による視線バチバチがたまらない

 そしていよいよ山本耕史演じる、京からやってきた切れ者・右衛門佐の登場である。綱吉の御台所・鷹司信平(本多力)の御中臈(おちゅうろう)として大奥に上がるや、上様へのお目通りを願うのではなく、「上様は大奥で与えられた男たちに飽きているご様子」「こちらへ狩りに出ていただきましょう」と仕掛ける。
仲里依紗×山本耕史による視線バチバチがたまらない

(C)NHK

 綱吉との出会い。孟子と論語を媒介に、右衛門佐と綱吉がバチバチに視線と言葉を交えたが、右衛門佐は「上様は、実は学問もいたくお好みだそうで」とリサーチ済みだった綱吉に対して、「思った以上に出来る方だ」と測ったというよりは、彼女の機知に、素直に驚き感心していたように映った。また、右衛門佐は、実は生き抜くために学を身に着けてきており、当然、大奥に関しても諸々調べ上げている。その行動は、切れ者、曲者、姑息とも映れば、さらに奥を見ると、相手を知る、寄り添う一番の方法なのである。つまり右衛門佐は、綱吉であり徳子を、誰よりも理解できる可能性を持った人物なのだ。  役目は人を生かすと教えた第5話。しかしやはり強く縛り付けもする。家光は将軍として立ちつつ、千恵としても燃え尽きたが、犬公方としても有名な綱吉はどう生きるのか。第6話では、綱吉の一人娘・松姫を悲劇が襲う。 <文・望月ふみ>
望月ふみ
70年代生まれのライター。ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画系を軸にエンタメネタを執筆。現在はインタビューを中心に活動中。@mochi_fumi
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