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貯まる人は知っている!よく聞く「一粒万倍日」の落とし穴と、本当に効く吉日

 新生活シーズンには、心機一転、新しい洋服を身にまとい、財布も買い替えて、開運や金運UPを目指したいもの。そんなとき、「一粒万倍日」などの吉日を意識したことがある人は多いのではないでしょうか?
風水心理カウンセラー 谷口令さん

風水心理カウンセラー 谷口令さん

 しかし、風水心理カウンセラーの谷口令さんは、これらの吉日には意外な落とし穴があると話します。 「相談内容のほとんどにお金の話題が絡んでいます。本当に多くの人が、お金について悩んでいるので、ぜひ真の吉日を使いこなしてほしいですね」と話す谷口さん。  近著『あたらしい時代の開運大全』でも紹介された金運UPについての誤解と、とっておきの開運方法について聞きました(以下、谷口さん寄稿)。

天赦日や一粒万倍日、寅の日の意外な由来

一粒万倍日

※イメージです

 最近では、ニュースやSNSで「天赦日(てんしゃにち)」や「一粒万倍日(いちりゅうまんばいび)」といった吉日を目にするようになりました。「縁起がいい」「金運が上がる」などと聞くと気になりますね。  例えば、天赦日。これは日本の暦で最高とされる吉日で、年に5~6回ほど訪れます。大安など、ほかの吉日よりも最強の日だと言われています。また一粒万倍日は「一粒のもみが万倍のもみをつけた稲穂になる」といわれている日です。もみをまくように、何かを始めるのに最適な日とされています。  吉日である天赦日と一粒万倍日が合わさった日は、最大の開運日とされ、最近ではよく話題になりますよね。結婚や入籍ならこの日を選ぶべきとされ、有名人の結婚発表も相次ぐようになりました。慶事はもちろん、起業から財布の買い替えまで、何か新しいことを始めるのにオススメとされています。  金運に関する吉日だと、金運招来日と呼ばれる「寅(とら)の日」や、「天恩日(てんおんにち)」、「巳(み)の日」なども耳にする機会が増えています。  天赦日や一粒万倍日、寅の日や天恩日、巳の日は、もとは九星気学からきている暦です。日本でこれらの吉日が最初にブームになったのは江戸時代でした。

暦とマーケティングの意外な関係

『あたらしい時代の開運大全』(ダイヤモンド社)

『あたらしい時代の開運大全』(ダイヤモンド社)

 江戸時代、暑い夏の日にうなぎが売れないと嘆くうなぎ屋から相談を受けた平賀源内(ひらがげんない)が、うなぎを売るためのマーケティングとして、「土用の丑(うし)の日」を活用。「精をつけるには、土用の丑の日にうなぎを食べよう」と掲げたことで、土用のうなぎが定着したというマーケティングのエピソードは有名ですよね。江戸時代には暦がとても流行っていたのです。  あまりにもいい加減な暦までも大量に出回ってしまったため、明治政府に禁止され、その後はあまり日の目を浴びなかった暦による吉日。  最近再び脚光を浴びるようになった理由もまたマーケティングです。一粒万倍日や天赦日は、宝くじのマーケティングのために古い暦から掘り起こされた吉日なんです。  これに便乗して、さまざまな業界が「新しい財布を買うのは一粒万倍日がベスト」「結婚式の日取りは天赦日が最適」などと、いわば乗っかってくるようになったのです。  これらの吉日も、もともとは九星気学の理論に基づいていますから、まったく根拠がないものではありません。しかしその由来にはあやふやな部分も多く、効果も定かではありません。  どちらかというと、「バレンタインデーにチョコレートを贈る」「節分に恵方巻きを食べる」などに近いイメージで、効果ゼロではないけれども、商売のために仕掛けられた吉日という側面が強いのです。  そう考えると、こうした吉日に踊らされることが少しむなしくなりませんか。
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最強の吉日は季節の変わり目にあり
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