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若いがん患者から、医師が一番聞く“困りごと”とは。お金の負担がさらなる苦しみに

10代の子どもたち、どんなことに気をつければ?

――AYA世代のがんには、どんな種類のがんがあるのでしょうか? 清水:AYA世代の中には様々ながんが含まれています。若い人に多いがんとして乳がんや子宮がん、白血病(血液のがん)や骨肉腫といったがんが知られていますが、実際には、様々な臓器のがんがあります。思春期世代は、血液やリンパのがんや、肉腫や脳腫瘍など、「希少がん」といって、非常に稀(まれ)ながんを診断される方が多いのが特徴です。 体調不良の女子高生――思春期の子は親に体を見せなくなりますし、体調が悪くても親に相談しないこともある気がします。思春期はどんなことに気をつければいいのでしょうか? 清水:思春期は、痛みなどの症状があっても、最初は深刻な病気だと思わず、すぐには病院に行きませんよね。「試験があるから」「部活の試合を休みたくないから」と、自分のスケジュールを優先して受診をしない場合もあります。また、AYA世代でがんになる人は少ないので、医療者も最初からがんを疑うことは少ないと思います。そのため、がんは発見が遅くなりがちです。 AYA世代でがんになることは少ないので、親は、過度に不安になる必要はありませんが、体調が悪そうであったら、本人が「忙しいからいいよ」と言っても、一度、きちんと医療機関を受診をして病気ではないか診てもらった方がいいでしょう。

20~30代に多いがんの種類は

――成人がん(15歳以上の人のがん)は、どんなものが多いのでしょうか? 清水:20代になると、血液やリンパのがん、脳腫瘍や肉腫といった思春期世代に多いがんに加え、甲状腺のがん、精巣や卵巣の腫瘍が増えてきます。そして20代後半になると子宮頸がんや乳がんといった女性のがんが増えてきます。 30歳~39歳代では、乳がん、子宮がんが最も多いですが、胃や腸のがん、肺がんなど、もっと上の世代に多いがんも見られるようになってきます。
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ワクチン接種で予防できる「がん」も
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