
カワセミの背景に奥の桜の枝も入るよう、立ち位置を考えて撮りました
基本的には、ミラーレス一眼カメラか、一眼レフカメラと焦点距離300mm以上の超望遠レンズを使って撮影します。ミラーレスの場合、撮影の音が静かなのがいいですね。スマホでも近くなら撮れないこともないのですが、満足な写真を撮ることは難しいです。野鳥撮影には、それなりの機材がやはり必要ですね。
カワセミは桜の木の枝にとまることがあっても、とまりやすい花の咲いていない枝の方が好きで、花のない枝にとまると「なぜ、そちらに~」と悲鳴をあげたくなります。驚かさないように心の中で……ですけど。花がたくさん咲いている枝にとまってくれる場合もありますが、それはそれで、花の中にカワセミが隠れてしまうこともよくあります。
だから、花や枝がカワセミに被らない絶妙な隙間から狙います。AF(オートフォーカス)だと上手くピントが合わないことが結構ありますから、MF(マニュアル)でピントを合わせましょう。この場合、AFロックボタンがあるカメラなら、ボタンを押すと合わせたいところにピントが合って便利です。
三脚や一脚を使うと楽ですが、機動性を重視して私は基本的に手持ち撮影。ただ、それなりに重い超望遠レンズをかまえて「空気イス」状態だったり、中腰だったり、つま先立ちだったりと、苦しい態勢でシャッターチャンスを待ち続けなくていけない場合もよくあります。のんびり花を眺めるというより、ヨガや筋トレのような状況だったりします。野鳥撮影は体力が大事ですね。

桜の花に包まれたメルヘンチックなカワセミ
撮影には苦労もありますが、上手くカワセミと桜の写真が撮れるとすごく嬉しいです。今回は、花の中に埋もれているようなメルヘンチックなカワセミが撮れました。やっばり美しい。見ているだけでも幸せになりますが、ボーっとしているとすぐに別の場所に飛んで行ってしまうこともよくあるので、とにかくシャッターを切りまくりました。

ピューンとすごい早さで横っ飛びするところを撮りました
また、桜の花を背景にすごいスピードで横っ飛びするところや、桜の木の枝のところで羽繕いしているところも撮れました。奇麗なモデルさんを撮影する時、その人の魅力をいかに引き立てる写真が撮れるかというような感覚で、私はカワセミの魅力をいかに撮れるか、毎回試行錯誤しています。天候やどの枝にカワセミがとまるかなど運にも左右されますが、今回はたくさんの桜とカワセミが撮れて嬉しかったです。
*以下の日程・場所で、藍沙さん撮影の野鳥写真が展示されます。
〇4月8日~12日:JR高尾山口駅近くの「高尾599ミュージアム」にて行われる、東京多摩野鳥写真クラブの展示に、藍沙さんも参加し写真を数点、展示。
高尾599ミュージアム
東京都八王子市高尾町2435-3
〇5月25日~6月7日:JR立川駅近くの「タクロスminiギャラリー」で、藍沙さんの展示「東京の野鳥」(仮題)を行う。大型写真パネルを含む、多数の写真を展示する予定
立川タクロス
東京都立川市曙町2-2-25