50万円もする「ロリータ包丁」に衝撃!「この包丁を買う人は“変態”」と製作者
全国各地の名産品を見るのも、ふるさと納税の魅力の一つですよね。そんななか金物の町・兵庫県三木市で、ものすごいふるさと納税の返礼品を発見しました。
その名も「ロリータ包丁」。うさぎの持ち手が特徴の「Lappin」(ラピン)とゴスロリ調の「JULIETTE」(ジュリエット)の2種類が展開されています。
説明には「世界初のロリータ包丁として誕生」とありますが、世界初でなかったら逆に驚きです。「なんか…いろいろすごい」この包丁。制作者で鍛冶職人、田中一之刃物製作所4代目の田中誠貴さんにお話を聞いてみました。
――なぜ、突然ロリータ包丁を作られたのでしょうか。
田中誠貴さん(以下、田中)「鍛治職人として、作った包丁を東京や海外の展示会にもっていくことがあるんです。世界一の包丁と評価をいただいくこともあるのですが、どんなに良い包丁をもっていっても包丁に興味がない人からすれば、ただの包丁なんですよね。大量生産の包丁ではなく、鍛冶職人が作った包丁に興味をもってもらうきっかけとしてロリータ包丁を作りました」
――興味をもってもらうために作ったところから、いきなりロリータが出てくるのがすごいです。
田中「包丁って、無駄なものとことん省いて必要な機能だけ残して今の形になっているんです。なので、あえて無駄なものを全力でつけてみました。知り合いにデザイナーの方がいたので、こういうものを作りたいと僕の思いを相談したらデータにまとめて、デザインにしてくれたんです」
――田中さんが最初からゴスロリを意識されていたんですか?
田中「していません。最初は『ここにハートとか蝶を入れるのはどうだろう』と伝えていたのですが、あがってきたデザインを見たら『完全にゴスロリ』だったんです。でもデザインは素晴らしいし、こんな包丁は世の中にないから思いきりロリータ路線で仕上げたいと思い、ロリータ包丁をコンセプトにロリータ調とゴスロリ調の2つのデザインを作ってもらいました。デザインにも仕上がりにもとても満足しています」
――たしかに振り切ったデザインですね。
田中「普通の包丁に装飾がついているものは世の中にたくさんありますが、鍛冶職人が作った包丁にデザインがついた物はないと思います。こんなデザインを鍛冶職人が本気で1本1本手で作っているという本気度も味わってもらえたらと思います。どうせやるならとことんやりたいという僕の思いがつまっています」
――海外でも話題になりそうですね。
田中「国によりますね。海外で販売会をしたときに、ドイツでは『切れればよくない? この飾りいらなくない?』という感じで興味を持ってもらえませんでしたが、フランスでの食いつきはとてもよかったです。フランスでは『こんな包丁みたことない!』『芸術的』と、とても喜ばれました」