無味乾燥とした生活を何年も送っていた蓮奈さんに転機が訪れたのが今春のことでした。
以前から飲み仲間だった後輩の男性社員にいきなりデートのお誘いを受けたのです。
「『
今度、二人きりで食事に行きませんか?』って、そう言われたんです。3歳年下でしたが、細身のイケメンで、どことなく生田斗真に雰囲気が似ていました。私の好みのタイプのイケメンで、付き合えたらいいのにな~と妄想したこともあります」

気になっていた後輩からの思わぬ誘いにすっかり舞い上がってしまった蓮奈さん。最近オープンしたという辺鄙(へんぴ)な田舎には珍しい洒落た雰囲気の創作レストランで食事をすることになりました。
もちろん、飲み仲間として何度も会っているので気兼ねなく話をしていつも通り盛り上がりました。そして、一通り食事を終えたところで、生田斗真似の後輩社員から衝撃の一言が飛び出します。
「
ぶっちゃけ、僕のこと、どう思ってます?」
いきなりの直球すぎる質問に戸惑う蓮奈さん。
「タイプの男の子から突然そんなことを聞かれたんですから、びっくりしましたよ! それでも今まで秘めていた自分の気持ちを語りました。
自分も前々から気になっていたこと、普段の仕事に対する姿勢も好感を持っていたこと、そして付き合えたら楽しいだろうなと思っていたことを伝えたんです」
しかし、後輩から色好い返事はありませんでした。それどころかじっと押し黙ってしまいます。そんな彼の態度でしたが、蓮奈さんは「きっと、彼なりに真剣に考えているのだろう」と考えて、その場では何とも思わなかったそうです。
離婚して地元に帰ってきてからというもの、新しい彼氏もできずに恋からもずいぶん遠ざかっていました。久しぶりに向けられた男性の好意にドキドキとワクワクが止まらず、浮ついた気分で帰宅しました。