
美紀さん「他人が私のために何かしてくれるのに抵抗があるんです。逆に、自分自身が他人に何かするのはいいんですけど。」
筆者「なるほど。ではどうして美紀さんは、『自分なんか』って思ってしまうのでしょう?」
美紀さん「…他人に迷惑をかけたくないからでしょうか?迷惑をかけて、嫌われるのもイヤです」
筆者「誰かに嫌われたくないという想いが強いのですね」
美紀さん「そうかもしれません。今までも『美紀ちゃんはいい子』という印象を持たれていて、その評価の自分でいようと思っていました。その枠から外れたくないというか…」
筆者「では誰かに嫌われてしまったらどうしますか?」
美紀さん「かなりショックだと思います。どこが悪かったのかなって。」
筆者「確かに、相手はどこか悪い点を感じたのかもしれない。ですが、たまたま美紀さんとその人が合わなかっただけかもしれない。他人に評価を求めると、全部『かもしれない』という仮定の話になるんです。そんな不確実なものに美紀さんの価値を決めさせる必要ないですよね。」
今まで他人の評価を気にしていた美紀さんが、ハッとした表情になりました。
「自分なんか」をやめて、他人の好意もありがたく受け取れるように
それから美紀さんは、人の気持ちよりもまずは自分の気持ちを大切にすることにしました。他人からの評価を気にしないと決めて、イヤな頼み事も断るように。
初めは断ることに抵抗があった美紀さん。小さなことから、断る練習をしました。
「みんなはコーヒーを飲むけれど、本当は紅茶が飲みたいからコーヒーはいらないと伝える」「急ぎの仕事でないなら、翌日のタスクに回し、残業する回数を減らす」などです。
自分がイヤなことをしなくなったことで、美紀さんは他人からの好意も素直に受け取れるようになりました。