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「年中無休」で働く99歳女性、不便でも幸せな毎日が続く“シンプルな理由”

何事もさらりと、決して怒らない95歳

村上久子さん(95歳)

村上久子さん(95歳)
(写真:内山文寿(内山写真デザイン事務所)、池谷啓)

 色白の肌に品のあるお化粧、おしゃれな装いが素敵な村上久子さんは95歳。イライラしない。怒らない。ため息をつくこともない。くよくよしない。これが村上さんの人生哲学。毎日日記をつけるのが日課だと言います。日記を書くのは、煩わしいことを忘れるためだそうで、「嫌なこと、つらいこと、おもしろくないことがあっても、日記を書いて忘れることにしているの」。  これは年齢とは無関係に見習いたいです。人生において、楽しいことやうれしいことを経験や思い出の優先順位にすべきなのに、私達はとかく嫌なことやつらいことを記憶に残しがちです。心にいつまでも暗雲を飼うように、うじうじしていたら時間がもったいないですよね。

50年間、1日も休まずに続けている「おつとめ」

マンダラの図柄に色を塗る村上さん

マンダラの図柄に色を塗る村上さん
(写真:内山文寿(内山写真デザイン事務所)、池谷啓)

 好奇心旺盛、わだかまりは持たず、週4日通うデイサービスでは塗り絵に歌、読書などに勤しみます。塗り絵はマンダラの図柄を中心にしたもので、その腕前も確かです。  日記の他、村上さんにはご自身で決めた「おつとめ」があります。毎日毎夕、仏壇に向かって読経をすること。「特に何かを祈る、願うというわけではないのよ。おつとめですもの。おつとめというのは、休まないこと、サボらないこと」。50年間1日も休んだことはないという、この「おつとめ」。自分の中に規律を設けるというのは、言い換えれば自分を矜持(きょうじ)するということではないでしょうか。
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「便利」の対極にあるのは「不便」ではない
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