フランスでは「熟女ファースト」が成立する理由…日本では考えられない“意外な価値観”
「人生で『愛する』チャンスを逃さない」。こんな言葉ではじまる、『フランス人は生きる喜びを知っている』(KADOKAWA)。著者は、フランス政府公認ガイドのRyoko Paris Guideさん。中学生の頃にパリを舞台とした名画の数々に魅せられ、やがてパリでの生活を開始。現在は23年間のパリ生活を生かし、フランスの魅力を発信しています。同名のYouTubeも大人気で、登録者数は6万人超。
本書で語られるのは、Ryokoさんならではのフラットな感覚で見つめた、「フランス流人生の楽しみ方」「パリ庶民の生活」「海外永住組のリアル」の3つです。憧れてやまないフランスを、本書で堪能しちゃいましょう。
ワインにチーズ、フランスは熟したものが好きと本書。そしてそれは女性にもあてはまるというのです。そう、フランスは成熟した大人の女性が輝く国。しかも美容整形を施す「若見え」系ではなく、まさにワインやチーズのように熟練熟達されて味を深めた女性。過剰に若くはないけれど、老けて見えない女性です。
どちらかというと日本人は若さ重視で、年齢を重ねるごとにおしゃれ心をすり減らしていく女性もいるようです。
しかし、フランスでは違います。若い男性が50代~60代の女性を見つめて、「なんてセクシーなんだ!」と感激するのだとか。この普遍的な状況を本書は、「『自由・平等・博愛』を掲げる社会全体が熟女の人権、熟女が輝く自由を認めているからなのではないか」と考察。
フランスやパリを想像すると、まっさきに愛や恋やセクシーさを思い浮かべるのは、人生を謳歌する大人の女性達あってこそなのかもしれません。この精神、ぜひとも見習いたいものです。
まだまだあります、熟女ファーストなフランス事情。下着広告に白髪の女性が起用されたのです。「60代の白髪交じりの女性が、段々になったお腹をあらわにブラジャーとショーツの姿で自然なポーズを取った」という下着ブランドの広告。下着が必要なのはオール世代の女性なのに、モデルの年代が特定されるのは確かにおかしな話。年齢をはじめ、体型にも理想はなく、皆が違うからこそそれぞれが輝くと思うのです。
どんな美容液よりも有益なのが、フランス流魔法のセラム「自己肯定力」だと本書。日本にもフランスにも、完璧な人間などひとりもいません。誰かを羨んでも、その人になれるわけではありません。
自分を誇って進んでいくために、「コンプレックスや弱さみを把握しながらも、否定したり目をそらすのではなく、自分の一部として認める」というのが自己肯定力。さらに「改善できるならそのための努力は惜しまない、もしくはそれを魅力に変えていく力」。これが内側から輝く理由ではないでしょうか。
フランスは熟女が輝く国
コンプレックスは魅力に変えていく
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