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妻の死は自分のせい?その思いは一生消えない/旅立った『末期ガンでも元気です』作者の夫に聞く

「私のせいでは?」との思いは一生消えない

ひるなまが体調を崩し、ガンだと診断されるに至って、「ここで恩返しせずに、どこで返すんだ」という気持ちが湧き起こりました。その思いが最期まで私の心身を貫き支えました。 さらに、考える時間の大小はあっても、「もしかしたら、私を支えることによるストレスが、がん発病の因子だったのでは?」と、よく考えてしまいます。 国立がん研究センターが運営するサイト、「がん情報サービス」では、がんにおける「科学的な発生要因」の中にストレスは挙げられていませんが、しかし、妻の心に負荷を与えていたことは自覚しています。 この「私のせいでは?」という思いは一生消えないと思います。業を背負っている状態と捉えています。 「恩返し」と言うと聞こえはいいですが、妻とともに闘病する、サポートするという行為は、自分が許されるための罪滅ぼしでもありました(本人には言えなかったですが)。

妻に旅立たれてから、自分の気持ちがわからない

(画像:『末期ガンでも元気です』ひるなまの夫オフィシャルブログ より)

(画像:『末期ガンでも元気です』ひるなまの夫オフィシャルブログ より)

ブログを書くことは、とても支えになっています。書くことで、「今の自分」を少しずつ把握できる気がしています。というのも、妻に旅立たれてからというもの、「今の自分」が、「それまでの自分」とは明らかに違うなと、感じているんです。 自分の気持ちがわからない。例えば、悲しいのか、辛いのか、慣れたのか、気が抜けているのか、麻痺(まひ)しているのか……。 ブログで過去や今の自分の気持ちを積み重ねていくことで、少しづつ自分の気持ちを整理したり把握したり、できる気がしています。
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さまざまな反響が
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