
『学校に行かない君が教えてくれたこと 親子で不登校の鎧を脱ぐまで』(はちみつコミックエッセイ)
――不登校について悩んでいる時に、児童精神科や行政の相談窓口などから思うように支援を得られなかったそうですね。
今:私が支援の窓口に相談していた時は、もっちんはまだ学校に行っていたので「学校に行けているならよかったですね」と言われて、たらい回しにされてしまいました。
でも「学校に行かない」ことを選択して思うのは、本来は、学校が合わないということくらいで行政や医療を必要とするほどに追い込まれる必要はないということです。「不登校だから支援に繋がらないといけない」「学校に合わないなら検査をしないと」と思って病院に連れて行ったりしました。振り返ると、もっちんに申し訳なかったなと思います。
――支援や治療がいるかどうかは人それぞれで、「絶対に必要」というのは不登校の子どもへの偏見だということですね。
今:学校に行かないというだけで「問題がある」「支援してもらいなさい」と決めつけるべきではないです。
でも、親が「学校に行かなくてもいい」と思うようになったとしても、周りから「それではダメだよ、ちゃんと学校に行かないと」と言われることは多く、親子で追い詰められたり孤立しやすいので、そういう場合は行政や医療と繋がることでサポートが得られると思います。
――学校の環境が合わなくてつらい思いをしている子どもには、どんなサポートがあるといいと思いますか?
今:学校に行かなくても人と繋がったり、地域と繋がったりできるといいなと思います。また、行政や医療機関以外にも、不登校の子を持つ親御さんたちと繋がるコミュニティはたくさんあります。まずは一人で悩まないことが大事。親が安心できれば子どもも安心できるので、まず自分がラクになるためにも人と繋がることを諦めないでほしいです。
【3本目を読む】⇒
「今は学校に行ってほしいと思わない」不登校の息子に向き合う日々を描いた作者の“後悔”<漫画>
<取材・文/都田ミツコ>
都田ミツコ
ライター、編集者。1982年生まれ。編集プロダクション勤務を経てフリーランスに。主に子育て、教育、女性のキャリア、などをテーマに企業や専門家、著名人インタビューを行う。「日経xwoman」「女子SPA!」「東洋経済オンライン」などで執筆。