“学校関係者”からクレームを係長が対応…直接謝罪へ

そんなある日、春子さんは係長とお客様対応に行くことになります。
「その日は、お客様のクレーム対応に追われていました。お客さまから『学校の売店で購入したパンの袋の中に髪の毛が1本入っていた』と電話でクレームが来たのですが、それが学校関係者だという話で……」
その電話を取ったのは、係長でした。女性の付き添いがあったほうが先方の印象が良い、という理由で春子さんが指名され同行することになります。
「その時点で、私の気持ちはイラだっていました。こういう時に限って、女が行けと私に押し付けてくる係長にも、職場の雰囲気にも。あと、電話で学校関係者と聞いた途端に、慌てふためく係長にも!」
会社から目的地までは、電車と徒歩で片道2時間。よく喋る係長の身の上話を聞くのは憂鬱でしたが、春子さんはなんとか笑顔でかわしていたそう。
いよいよ、クレームがあった家のチャイムを鳴らすと、出てきたのは制服姿の高校生でした。係長が「お父様はご在宅ですか?」と聞くと、父親は単身赴任しているためいないと言います。
「話をよく聞くと、クレームの電話をしてきたのはその高校生でした。高校生が、『神奈川県立○○高校のものですが……』と前置きして話すのを聞いて、慌てた係長が学校関係者だと勘違いしたようです。あの時は拍子抜けして、どっと疲れましたね」
係長は顔をピクピクさせながら、持参した菓子折りを高校生に渡したそうです。