「大事なモノ、なんで勝手に捨てたの?!」家族との片付けトラブル、“捨てる”では解決しない理由
「夫のプラモデルで部屋がいっぱい!何度言っても減らしてくれない」「実家の片付けで、親の昔の服を捨てたら怒られた」「推しメンのサイン本を同棲している彼氏にブックオフにだまって売られた」などなど、モノをめぐっての親しい人とのトラブルは多いですよね。
そんなトラブルを防ぐための方法はないの?という切実な疑問に、「捨てない片づけ」を考案した東大卒の整理収納アドバイザー・米田まりなさんに実践的な解決法を教えてもらいました!(以下、米田まりなさんの寄稿です)
片付けにまつわるトラブル経験、どの夫婦・家族間でも一度は経験したことがあるのではないでしょうか。私の前職、株式会社サマリーにて行った調査(※)によると、2組に1組の夫婦が、モノのトラブルが原因で結婚を後悔するに至ったことがあるのだとか…。
家庭内トラブルとしてよく伺うのが、「大事なモノを勝手に捨てられた」という事例です。
「思い出のスニーカー、汚れているからといって勝手に捨てられた!」「手続き書類をテーブルに出していたら捨てられた!ふざけるな!」など、数年前に起こった出来事でも、捨てられた側からはかなりの怒りを感じます。
一方、捨ててしまった側には悪気はなく、「いつまでも散らかっているので、よかれと思って片付けを進めた」とのこと。一体、何が原因ですれ違ってしまうのでしょうか?
部屋で出しっぱなしにされているモノの大半が、「直近で使用したモノ」。本人の生活にとってなくてはならない、近々で必要になるモノです。使用者本人は直近での使用歴があるので、一見、無秩序でも、どこに何があるか把握ができています。
一方で家族の目線に立つと、荷物が出しっ放しにされている意味が分からず、部屋全体を散らかす元凶として、強く印象に残ってしまいます。実際には部屋全体が散らかっていても、「これさえ捨てれば、部屋が綺麗(きれい)になる!」と、錯覚してしまうのです。
結果、本人にとって近々で使用予定のある大事なモノを捨てることとなり、すぐに本人にバレてトラブルになってしまいます。仮に押し入れの奥にある、開かずの段ボールの中身を1、2点捨てたとしても、しばらく(ともすると永遠に)気づかれないでしょう。
捨てて良いモノ・悪いモノの判断は本人にしかつかないという点も、トラブルを複雑化させます。子どもがチラシの裏に書いた似顔絵、抽選会に参加するために集めていたレシート、細かなアクセサリーやミニチュア作品のパーツなど、大切なモノを「ゴミだろう」と決め込んで捨ててしまうことで、家族間の信頼が一気に崩れかねません。
目についた荷物は、家全体の散らかりの中の「氷山の一角」。人は平均で1,500点の荷物を持つと言われますが、出しっ放しの荷物を数個捨てたくらいで、部屋は綺麗になりません。「勝手に捨てる」片付けは、信頼を崩すリスクの割に、片付けに対する効果は薄いことを、認識しましょう。

写真はイメージです(以下同じ)
「大事なモノ、なんで勝手に捨てたの?!」パートナーとの片付けトラブルが多発
勝手に捨てたくなるモノは、持ち物の中で「氷山の一角」
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