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『新婚さん』MCの“同性カップルへの態度”がすばらしい。“オカマキャラ”封印を経て

これ以上に強い“メッセージ”はない

 こんな印象的なエピソードトークがあった。ブロワ市庁舎で婚姻届を提出したとき、市長が立ち会ったという。  市長は彼らを前に、「愛があれば、私たちは受け入れます」と話したのだ。こんな当たり前なことを言える政治家が、どうして日本には、いないのだろう。政治的な詭弁(いや駄弁か)ではなく、ひとりの人間としての誠実な言葉を。  藤井は最後に、「すごい意味のあるメッセージがいっぱいいただけたので、ほんと嬉しかったです」と言いながら、顔がくちゃくちゃになるくらい満面の笑みを浮かべた。嘘偽りのない祝福の表情を見て、筆者は、涙があふれた。いやはや、日本よ、ダメだ、こんな状況では……。  フランスで同性婚が認められてからちょうど10年が経っているのに、日本ではまだ合憲か、違憲かどうのと議論を繰り広げている。何も難しいことではないのにかかわらず。でも、必ずしも悲観的になる必要もないのかなとも。  カルペ・ディエム。呪文のような言葉が、ふと頭をよぎる。  意味は、「その日を摘め」。古代ローマの詩人ホラティウスが言ったこの言葉には、今この瞬間を生きることの大切さが込められている。  今回、番組を見た視聴者なら、あのふたりからあふれ出るものを、パッと摘み取るようにキャッチできたはず。彼らの多幸感以上に強い“メッセージ”も他にないだろう。 <文/加賀谷健>
加賀谷健
コラムニスト/アジア映画配給・宣伝プロデューサー/クラシック音楽監修 俳優の演技を独自視点で分析する“イケメン・サーチャー”として「イケメン研究」をテーマにコラムを多数執筆。 CMや映画のクラシック音楽監修、 ドラマ脚本のプロットライター他、2025年からアジア映画配給と宣伝プロデュース。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業 X:@1895cu
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