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『ペンディングトレイン』脚本家が明かす“山田×赤楚バディ”の撮影ウラ「びっくりするほど仲良くなっていて…」

きらぼしのようなイケメン俳優たちの魅力とは

『ペンディングトレイン』より © TBS――本作の山田裕貴さんや赤楚衛二さん、『私 結婚できないんじゃなくてしないんです』の瀬戸康史さん、『中学聖日記』の岡田健史さんや町田啓太さん、映画『羊と鋼の森』の山﨑賢人さん、『着飾る恋には理由があって』の横浜流星さんなど、金子さんの作品には、今をときめく“きらぼし”のようなイケメン俳優たちが出演しています。令和に入り、新たな世代のイケメン俳優も続々登場していますが、金子さんから見た彼らにはどんな魅力がありますか? 金子:大前提として、ドラマの中で俳優さんを過度にイケメン扱いすることを私はあまり好みません。むしろ彼らが「どう」イケメンなのか。それはヒロインに関しても同じです。「どんな人なのか」それが大事だといつも思っています。 ――単に見た目がイケメンということではなくですね。金子さんが脚本家デビューした1990年代、ちょうどイケメンという言葉が世の中に出てきた時期と重なるのも興味深いです。 金子:なるほど。それは、なかなか考えたことがない視点でした。ですがいつも、どの作品でも、どうしたらその人が輝くのか。その方ご自身が持っている特性を生かしながら、その魅力が大きく花咲くように、プロデューサーや監督と相談しながら知恵を絞ります。 『着飾る恋には理由があって』で藤野駿を演じた横浜流星さんは、非常に繊細に揺れ動くお芝居をされていました。ご自身もソフトな方で、飄々(ひょうひょう)としているかに見える駿の心の奥の揺れが出てきたときにこそ、彼特有の「イケメン」を表現できたことになるのだろうと思います。

相葉雅紀主演舞台でのアレンジ

――同作での横浜さんは軽快な調子ですが、でもある場面では視聴者にしか見せない繊細な顔をする。ベスト・オブ横浜流星の演技だなと思います。 金子:すべての俳優さんにとって言えることですが、心が揺れ動く場面が重要だと思います。弱さと強さが混ざりながら、どんな表情が現れるのか。そこに人は魅力を感じると思います。そしてその魅力を最大限引き出すことが私たち制作サイドの役目です。  でも一度ご一緒して、見えてくる魅力もあります。例えば赤楚さんは、パブリックイメージとは少し違い、どこか掴みどころのない、独特の雰囲気が漂っているように思いました(笑)。実は直哉っぽくて、ふっといなくなってしまいそうな印象を受けました。  もしいつかまたご一緒する事があれば、そういう感覚が役柄のアレンジに影響するのだろうなと思います。 ――どのように観察するんですか? 金子:事前にお会いすることもありますし、ありとあらゆる出演作や、動画、インタビューなどを参考にさせてもらうこともあります。  昨年、脚本を書いた相葉雅紀さん主演の舞台『ようこそ、ミナト先生』では、テレビで見るような相葉さんの明るいキャラクターではなく、そのチャンネルが切れ、すっと無の状態になる瞬間を役柄としてアレンジしました。 ――『ようこそ、ミナト先生』以降、TBSの特別ドラマ『ひとりぼっち-人と人をつなぐ愛の物語-』(2023年)でもスイッチがうまく切れている役でした。 金子:相葉さんは、スイッチがオフになったお芝居もお上手です。いずれにしろ、その人の素の部分を垣間見ることで、キャラクターの感情の揺らぎは書きやすくなります。
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視聴者の心の中でペンディングされる作品
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