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実写版『リトル・マーメイド』黒人歌手起用で物議も、リメイクで圧倒的に良くなった点と残念ポイント3つ

1位:陸の市場も美しく、楽しく、多様な文化があった

『リトル・マーメイド』© 2023 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved. アリエルが人間の市場に足を運ぶ場面が、あまりに素晴らしかった。ここでは、海の中のカラフルな光景にまったく引けを取らない、美しく、楽しく、そして多様な文化があったからだ。  しかも、海の中で歌われていた楽曲「アンダー・ザ・シー」は、カニのセバスチャンが「陸の世界は最低だよ! 海の世界のほうがずっと楽しいさ!」などとアリエルを説得するために海の仲間と一緒に歌って踊った、あえて下世話な言い方をすれば「海age 陸sage」と言える楽曲だった。  もちろん、それも含めて「アンダー・ザ・シー」の歌唱シーンは楽しいし面白い。しかし、その後で「陸の世界も素晴らしいじゃないか!」と、歌って踊らなくても、目に見える形ではっきりと示してくれることが嬉しかった。  さまざまな商品が実際の「もの」として見える、実写だからこその感動も大きかったと思う。

ここは改悪かも…?どうしても気になったポイント3選

 今回の実写版でどうしても残念だったのは、声を失ったばかりのアリエルの「心の声」を、歌として表現してしまったこと。声が出せない場面で、その声を観客に聞かせるという演出そのものが、野暮に思えてしまったのだ。  また、アースラの手下である双子のウツボが、まったくしゃべらなくなってしまった。そのぶんアースラ本人の背景が多く描かれてた上で、その孤独が強調されているとも言えるので個人的には許容範囲内だったが、彼らのファンがガッカリしてしまうのも致し方がない。  そして、アリエルの姉妹の出番があまりに少ない。これは元のアニメ版からそうなのであるが、せっかく実写リメイクして個性を持たせたのであれば、クライマックスで戦いに駆けつけるなどの活躍の場を与えてあげても良かっただろう。  姉妹たちを演じた役者の人種がそれぞれ異なることにも賛否があったが、劇中ではそのことへの理由付けや背景が語られないことも気になってしまった。
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賛否ある配役とアプローチを肯定したい理由
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