実写版『リトル・マーメイド』黒人歌手起用で物議も、リメイクで圧倒的に良くなった点と残念ポイント3つ
公開中の実写版『リトル・マーメイド』は、日本では興行収入が3週連続で1位を記録するヒットとなっている。そして、その内容は1989年公開のアニメ版から、いくつかの変更点が加えられていた。
その変更点は(後述するように気になった箇所もあるが)おおむね素晴らしく、リメイクした意義があると強く思わせてくれた。
筆者の独断と偏見ではあるが、「実写リメイクして良くなった変更点ベスト3」を紹介しよう。以下、本編の内容に触れているので、できれば先に本編をご覧になってほしい。
※以下、物語上の重要な場面の描写を含みます
アニメ版では、アリエルは声と引き換えに人間の脚を手にいれる契約のため、アースラの契約書に“サイン”をしている。これが「それじゃあアリエルは、エリック王子とも筆談でコミュニケーションが取れるじゃん!」という有名なツッコミどころになっていたのだ。
今回の実写版では、契約方法は「尻尾の鱗を剥がして渡す」へと変更されており、そのツッコミどころが解消されている。アースラの支配的なイメージが「自分の体の一部を捧げる」ことで、より強固になる効果も生んでいた。
実写版では、エリック王子の背景がアニメ版より多く描かれており、彼もアリエルと同じく、為政者でもある親から画一的な考えを押し付けられていて、自由を望んでいることがわかる。似た境遇だからこそ、2人は惹かれあったという考えもできるだろう。
さらに、アリエルが宝物をたくさん集めていたように、エリック王子もまた宝物をたくさん集めていた。簡単に言えば、2人とも収集癖のあるオタク同士。
収集物への理解がある、時には知らなかったことも相手に教えてあげることも含めて、理想のオタクカップルのように見えた。
余談だが、ここで思い出したのは2021年の日本映画『花束みたいな恋をした』。こちらは有村架純が菅田将暉の部屋で「ほぼうちの本棚じゃん」と言う、ほぼ同じものが好きな者同士であることがわかって喜ぶシーンがあったからだ。
3位:アリエルは筆談できるのでは?というツッコミどころを解消
2位:アリエルとエリックが収集癖のあるオタク同士になった
