ドラマ『エルピス』の“ゲリラ放送”が現実に?『水ダウ』の“不正選挙の特集”は何だったのか
先週7月5日の『水曜日のダウンタウン』(TBS系)はこれまでにはない異質な内容で、観る者を困惑させた。12日の放送が休みだったのもあり、いまだ頭から離れないという人も多いのではないだろうか。
前半の説は2022年1月に同番組で不仲コンビとして紹介され、2023年5月に解散を発表したお笑いコンビ・竹内ズ(竹内大規、がまの助)の解散を活かした「解散ホントドッキリ」。2022年1月の放送でも見られた2人のギスギスしたやり取りが今回も繰り広げられ、大きな盛り上がりを見せる。そして、後半に発表された説は「津軽地方の不正選挙 えげつない説」というものだった。
説立証のためのVTRが流れ、津軽地方で起きた不正選挙を取り上げ新聞記事を引用したり、実際にどのようにして不正が行われたのかを再現VTRでわかりやすく紹介したりなど、様々な角度から不正選挙の実態に迫る。さらには、番組スタッフが津軽地方に足を運び、住民に不正選挙があったのかをインタビュー。実際に現金を受け取った人、選挙がキッカケで村八分にされた人など、生々しい声が寄せられ、選挙の、そして政治の怖さを感じた。
ただ、方言が強いために言っていることがイマイチ聞こえない人の発言の際にはあえてテロップを出さなかったりなど、同番組らしい編集も見られる。お堅い説ではあるが、楽しく見られるような工夫が施されていた。
不正選挙についてコメントする識者が出てくるわけでもなく、何かしらの主張を押し付けられる圧迫感もない。「津軽地方の不正選挙はえぐかった」という結果を伝えるだけで、あくまで『水曜日のダウンタウン』というバラエティ番組の企画の一つ、という体を保つ。とはいえ、政治経済をメインにした番組よりも政治経済の問題に踏み込み、それでいて視聴者に寄り添った前衛的な内容だった。
「津軽地方の不正選挙 えげつない説」
基本的には芸人をドッキリにかけたり、芸人に過酷なロケを行わせたりすることが多い同番組。たまに「徳川慶喜を生で見たことがある人 まだギリこの世にいる説」「温暖化で喜んでいる国もあるにはある説」といった社会的な企画もある。しかし、「津軽地方の不正選挙 えげつない説」という政治関連にしっかり踏み込む企画はこれまでにはない。放送まで内容が伏せられていたシークレット企画に、出演者だけでなく視聴者もあっけにとられた。 この展開に、昨年話題になった“あるドラマ”のシーンが重なる。今週5日の水曜日のダウンタウンの放送は・・・『解散ホントドッキリ』番組オリジナルの「ホントドッキリ」その第4弾は、芸人コンビのリアルな解散を利用した“解散”ホントドッキリ!ドッキリ形式の複雑な展開で、ターゲットにその解散が「ホント」であることをお知らせ! 他#水曜日のダウンタウン #tbs pic.twitter.com/JwY3soGbvO
— 水曜日のダウンタウン (@wed_downtown) July 3, 2023
「水ダウらしさ」を持たせつつも前衛的な内容
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