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乳がん宣告を受けた直後の私が、書店の膨大な「がん関連本」に抱いた違和感と“わずかな希望”

今さら健康に気遣い出す私

スムージー 長い長い一日を終え、眠りにつきました。それでも夜は明け、翌日は何事もなかったかのようにやってきます。  一晩たつと、昨日のドタバタがなんだか遠い過去のように思えました。少し気持ちが落ちついたのでしょうか、いよいよ自分の中にあるがんと向き合っていかなくてはいけない、と思いました。  ひとまず、病院に行けるのは年明け。自分の中にあるしこりが「ほぼ悪性」で、どんどん増殖すると思うと、治療を受ける日まで「これ以上大きくならないようにしよう」と思い始めました。  お酒が大好きで、健康について何のケアもしてこなかった私。けれど、がんが大きくなってほしくないという思いから何かせずにはいられず、翌日からいきなりお酒をやめ、なんだか身体に良さそうな生野菜と果物をミキサーにぶち込み、スムージーを作って飲み始めました。  夫はあまりの豹変ぶりに驚き「今さらやってもあんまり意味ないんじゃないの」と遠慮がちに言いました。そんなの自分でもわかっているけど、何かそれっぽいことをしていないと落ち着かなかったのです。  歩くことも運動も大嫌いでしたが、その年の年末年始は穏やかで暖かい日が多く、運動もなんだか良さそうだぞと、家族3人で公園に行ってバドミントンをしたり、今までにない健康的な休日を過ごしてしまいました。後にも先にも、お正月に家族で運動したのはこの年だけです(笑)。

治療をする病院は自分で探さなければいけない…

スマホ そんな「今さら健康的」な生活をしながらも、なんとなく落ち着かない日々を過ごしていた年末年始ですが、休み中に与えられていた大きな宿題にも取り組まなければなりませんでした。  それは「年明けに乳がんの治療をする病院を決めておくこと」。  先生は私が指定した病院に紹介状を書くと言ってくれていたので、次にクリニックを訪れて細胞診(腫瘍の細胞を採取して悪性かどうかを判定する検査)の結果を聞くときまでに、治療する病院を決めなくてはいけませんでした。  これは私とって、初めての大変なハードルでした。 <文/塩辛いか乃 監修/石田二郎(医療法人永仁会 Seeds Clinic 新宿三丁目)>
塩辛いか乃
世の中の当たり前を疑うアラフィフ主婦ライター。同志社大学文学部英文学科卒。中3繊細マイペース息子と20歳年上の旦那と3人暮らし。乳がんサバイバー(乳房全摘手術・抗がん剤)。趣味はフラメンコ。ラクするための情熱は誰にも負けない効率モンスター。晩酌のお供はイオンのバーリアル。不眠症。note/Twitter:@yukaikayukako 連載「乳がんドタバタ日記」Kindleで発売中!
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