役所のように男女比に偏りがない業界で働く男性は、日常で出会って恋愛結婚する人も多く、あまり婚活市場に出てきません。いても、すぐに婚活市場から卒業していなくなることが多いです。それに、人気職で条件が悪くないのに一定の年齢を超えて独身という人には、何か問題をかかえているために独身というケースも少なくありません。

逆にマッチングサービスユーザーに多いのは、職場に女性が少ない自動車業界、ITエンジニア、通信業界、建設業界などで働く男性。職場に出会いがなければ、デート慣れしていないのも、独身なのも仕方がありません。デートのお店選びに適したお店は知らずデートでチェーン店を選ぶかもしれないけれど、
結婚生活の満足度はデートのお店選びと関係がありません。
こういう幸せな生活と関係がないところにこだわって、“素敵な恋愛”がしたいまま婚活する恵さんのような方は、どんなに男性と出会っても結婚に至りにくいのです。
恵さんはある程度は自分の視野が狭かったことは認めてくれました。
「でも、女性はみんな土木の人、嫌ですよね。普通は商社とかの男性の方がいいんじゃないんですか?」
「“女性はみんな”で一般化しないでね。ご自分の話ですよね」
「そうですけど。
女性って普通はお店選びで気を使ってほしいじゃないですか。結婚している友達もみんなそう言ってましたよ」
彼女の“普通は”の連発が引っかかります。
「その結婚しているお友達は何歳ぐらいで結婚されたんですか?」
「20代です」
「他の女性もそうだから自分の希望は当たり前だって言いたいのは分かるんですけど。女性って30歳時点で7割ぐらい既婚者ですからね。普通の女性は20代で結婚しているって言われたら嫌でしょう?」
「私、やっぱりイタイですね。相手にだけ普通を押し付けて、自分は普通以下なのに」