生理が止まると「よかったね」と言われたことも…。女性フィギュア選手が求める“多様な美しさ”とは
2023年7月、卵巣から採取した卵子を将来の妊娠のために凍結保存する「卵子凍結」の手術を受けたことを公表した、フィギュアスケート選手の小松原美里さん(31歳・倉敷FSC所属)。
2022年北京五輪にも出場したアスリートの小松原さんは、卵子凍結に向けて準備する中、自身の身体について知る大切さを改めて実感したといいます。
「競技に向けた体作りや大会のプレッシャーと健康維持の兼ね合いに、時には悩むこともあった」と語る小松原さんに、フィギュアスケート/アイスダンスの世界における健康を取り巻く問題、そして心も体も健康的でいられる環境作りの重要性について聞きました。
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パフォーマンスを高めるため、大会期間中はもちろん練習中も常に最高のコンディションを維持することが求められるアスリート。そんななか、PMS(月経前症候群)や生理痛による不調にはどのような対処がされているのでしょうか。
パートナーとのコンビネーションが競技の要であるアイスダンスの世界で活躍する小松原さんは、生理前や生理中の体調や心がけていることを話してくれました。
「私の場合、生理前は練習以外ずっと寝ていたり、身体がすごく熱くなったり、食欲も増すけど食事制限をしているのでストレスが溜まったり……。体調が万全ではなく、練習をするのに必死で口数も少なくなってしまうので、パートナーやコーチを心配させないためにも『今は生理中なので、テンションがいつもより低くなっているかもしれないけど、気にしないでね』と伝えています。
アイスダンスの場合、パートナーとの関係がパフォーマンスに大きく影響してくるので、私は自分のコンディションを伝えて理解してもらうように心がけています。
これはスポーツの世界だけでなく、色々な場所でも同じことが言えると思うのですが、同じ女性でもPMSの悩みがまったくないという方もいれば、すごく苦しんでいる方もいる。なので、『女性』という大きなくくりにするのではなく、それぞれ『個』として見るべきですし、必要なときには当事者が自身の状況を言えるような環境を周囲が作ってあげられればいいですよね」(以下、小松原さん)
また、特にフィギュアスケートや体操などのいわゆる「審美系競技」は、十分な身体能力と技術に加えて、芸術性が求められるスポーツです。競技のため子どもの頃から体型コントロールをしていたという小松原さんは、かつて自身の健康状態に不安を抱えていたといいます。
「初潮がきた年齢も16歳と一般に比べて遅く、また緊張する場面が続いてストレスを抱えている時期は生理がこない月もありました。大人になってからも、自分が目標とする体型になった一方で生理が止まっていたりなど、健康面で不安を感じていた時期もあったと思います。
ただ、それを同業者に相談しても『よかったね。それは美しい体型になっているという証拠だから、喜ぶべきだよ』という反応で。私自身そういった環境下に長らく身を置いていたので、最初は『そうなのかな』と思っていたのですが、だんだんと違和感が大きくなり『何かが間違っている』と感じるようになりました」
生理の際は周囲に自身のコンディションを伝える
パフォーマンスを高めるため、大会期間中はもちろん練習中も常に最高のコンディションを維持することが求められるアスリート。そんななか、PMS(月経前症候群)や生理痛による不調にはどのような対処がされているのでしょうか。
パートナーとのコンビネーションが競技の要であるアイスダンスの世界で活躍する小松原さんは、生理前や生理中の体調や心がけていることを話してくれました。
「私の場合、生理前は練習以外ずっと寝ていたり、身体がすごく熱くなったり、食欲も増すけど食事制限をしているのでストレスが溜まったり……。体調が万全ではなく、練習をするのに必死で口数も少なくなってしまうので、パートナーやコーチを心配させないためにも『今は生理中なので、テンションがいつもより低くなっているかもしれないけど、気にしないでね』と伝えています。
アイスダンスの場合、パートナーとの関係がパフォーマンスに大きく影響してくるので、私は自分のコンディションを伝えて理解してもらうように心がけています。
これはスポーツの世界だけでなく、色々な場所でも同じことが言えると思うのですが、同じ女性でもPMSの悩みがまったくないという方もいれば、すごく苦しんでいる方もいる。なので、『女性』という大きなくくりにするのではなく、それぞれ『個』として見るべきですし、必要なときには当事者が自身の状況を言えるような環境を周囲が作ってあげられればいいですよね」(以下、小松原さん)
生理が止まって「よかったね」と言われて違和感
また、特にフィギュアスケートや体操などのいわゆる「審美系競技」は、十分な身体能力と技術に加えて、芸術性が求められるスポーツです。競技のため子どもの頃から体型コントロールをしていたという小松原さんは、かつて自身の健康状態に不安を抱えていたといいます。
「初潮がきた年齢も16歳と一般に比べて遅く、また緊張する場面が続いてストレスを抱えている時期は生理がこない月もありました。大人になってからも、自分が目標とする体型になった一方で生理が止まっていたりなど、健康面で不安を感じていた時期もあったと思います。
ただ、それを同業者に相談しても『よかったね。それは美しい体型になっているという証拠だから、喜ぶべきだよ』という反応で。私自身そういった環境下に長らく身を置いていたので、最初は『そうなのかな』と思っていたのですが、だんだんと違和感が大きくなり『何かが間違っている』と感じるようになりました」



