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なんで猿なの?モンチッチの爆発的人気から“一時販売休止”まで 知られざる50年史

爆発的人気に……しかしブームは10年で終了

モンチッチしかし、そんなブームも徐々に落ち着き、1985年には一時販売を休止。 「今でこそ50周年を迎えることができましたが、当時のモンチッチは弊社にとって“商品のひとつ”でしかありませんでした。どんな商品もサイクルしていくもので、どんなに社会現象を起こしてもいずれは落ち着く……そんな考えから、商品的なジャッジとして販売数が落ち着いた10年目に発売終了となりました」 商品が変わらず売れ続けていたフランス・パリでの販売は継続していたものの、国内では在庫が終了次第終了となったことで多くのファンからの問い合わせが殺到。「もう買えない!」という声があまりにも多かったことから、1996年には再度販売をすることになったという。

ファンからの熱い要望で再デビュー……以降変えた「モンチッチの在り方」とは

モンチッチ

50周年を迎えるモンチッチ

「1970年代に子どもで、モンチッチが好きだった方が大人になった頃、もう一度モンチッチが欲しいと多くお問い合わせを頂きました。そこで1996年の再販時にはぬいぐるみに加え、大人の方が普段使いできるグッズも販売しました。再度お子さん向けのブームを狙うという案もあったのですが、近年は子ども向けの商品は綿密なマーケティングをする必要があり、難しい。大人向けに照準を絞り販売する判断になりました」 セキグチとしても「再ブームを起こしたい!」という考えではなく、あくまで「ブームかどうかに関わらず売り場にい続けることでファンの皆さまとの接点を持ち続けたい」と考えている。 「1974年の発売当初の大ヒット、販売休止を経て2004年の30周年にリバイバルブーム、そして40周年にも話題になるなど、何度かの波がありました。弊社としては売上が少し下がってしまう時があったとしても、『いま売れないからやめる』という判断はせず、逆にどう広げていくかを考える方向性です。日本ではあまり話題になっていない時でも中国でヒットしたり、インバウンドで売れ行きがあがったり……ということもあります。なので商品としてどうかではなく、売り場にい続けることが重要だと考えています」 現在では東京タワーに50周年を記念したフォトスポットが登場したり、ベイホテル浜松町にコラボルームが登場したりと、大人のファンに向けた施策が中心。モンチッチは子どもの頃の思い出を懐かしむことのできるよう、これからもマイペースにそこに存在し続けてくれるに違いない。 <取材・文/松本果歩>
松本果歩
インタビュー・食レポ・レビュー記事・イベントレポートなどジャンルを問わず活動するフリーランスライター。コンビニを愛しすぎるあまり、OLから某コンビニ本部員となり店長を務めた経験あり。日本酒・焼酎・発酵食品が好き。X:@KA_HO_MA
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