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リアル“コンピューターおばあちゃん”?!高齢者向けゲームを作った88歳の「コピペじゃない生き方」がスゴい

アップルから突然のメール

メール81歳でゲームアプリ「hinadan」を作ったら、「世界最高齢の開発者」としてその年の米国アップル社の世界開発者会議「WWDC2017」に特別招待されたのです。 ある日突然アップルからメールがきたら、若宮さんでなくとも驚愕しますよね。恐る恐るメールをひらけば「どうしても会いたいと言っておられる方がいる」とあって、それがCEOのティム・クックだと判明したのですから、まさにインターネットアメリカンドリーム! 「高齢者が楽しめるアプリがなかったから、誰も作ってくれないなら仕方ないから自分で作ろう」と、若宮さんは独自の見解で開発に踏み切りました。超高齢化社会とうたわれつつも、高齢者向けのアプリが少ないというのもおかしな話です。高齢者はITになじみがない、ゲームなどやらない、という先入観がまことしやかに蔓延(はびこ)っているのでしょう。 私はアラフィフですが、88歳の若宮さんと比較すればまだ若いです。でも、年々世間から取り残されていく不安に苛まれます。世の中という得体の知れないモンスターが、若い方を中心とした流行や情報を垂れ流しにするからかもしれません。人生100年時代、アラフィフなどまだ折り返し地点です。年齢など無関係に、オリジナルな生き方をひとりひとりが模索していくべきなのです。

コピペな生き方にさようなら

「年を重ねるといろんなことを諦めてしまう人が多いですね」とは、ちょっと耳に痛い発言です。でもズバリ言い当てていますよね。やはり私と同じく「50代くらいで人生を諦めておられる方もいらっしゃいますが」というのも事実です。インターネットの良い面だけを活用すればいいのですが、SNSなどの正体不明の情報を気にしすぎると、あらゆることに尻込みしてしまうのでしょう。 「コピペは駄目ね。コピペじゃない生き方をしたいです」。この発言も胸に染みます。みんなと一緒じゃなくていい、あなたはあなた、私は私です。 それぞれが個性を生かして独自路線の幸せを歩めば、毎日はきっと奇跡で満ちてくる。本書を読み、そんな風に思いました。 <文/森美樹>
森美樹
小説家、タロット占い師。第12回「R-18文学賞」読者賞受賞。同作を含む『主婦病』(新潮社)、『私の裸』、『母親病』(新潮社)、『神様たち』(光文社)、『わたしのいけない世界』(祥伝社)を上梓。東京タワーにてタロット占い鑑定を行っている。X:@morimikixxx
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