Entertainment

知的障害のある女性が「公園で暴れ回った」悲しい理由。両親は娘を抱き、頭を下げ続けた|ドラマ『初恋、ざらり』

 8月18日に『初恋、ざらり』(テレビ東京系、金曜深夜24時12分~)の7話が放送された。7話は有紗(小野花梨)の友人・友子(高山璃子)がメインで、ざくざくろ氏の同名原作にはないオリジナルストーリー。ただ、オリジナルストーリーだからこその大胆さや繊細さが見られ、本作が持つメッセージ性の高さを強く感じられる内容だった。
「初恋、ざらり」

©「初恋、ざらり」製作委員会

有紗よりも一般生活の難易度が高そうな“友ちゃん”

 7話では、“友ちゃん”こと友子がプロのカメラマンから被写体のオファーが入ったと有紗や岡村(風間俊介)に報告するところから始まる。有紗と同じ支援学校に通っており、知的障害を抱えている友子。しかし、有紗が「(友ちゃんよりも)私のほうが障害軽度なんです」と口にしていた通り、友子は落ち着きがなく、思ったことをバンバン口にするなど豪快な言動が目立つ。  他にも、カメラマンの名前を忘れないために紙に書いて貼り何度も復唱したり、アイロンを使用する際にコンセントをさし忘れていたりなど、有紗よりも一般生活を送ることの難易度が高そうだ。ただ、友子のそういったシーンを見せ、「私のほうが障害軽度なんです」というセリフがあることにより、障害者といっても人によって様々な特性があることが伺える。

「普通の人みたいに働きたい」という願望だったのでは

「初恋、ざらり」

有紗の友人でアイドルを目指す友子(高山璃子)©「初恋、ざらり」製作委員会

 写真を撮ってもらえればアイドルになれると思い込んでいる友子は「パパありがとう、今までお世話になりました」と両親の前で口にしていた。この発言から、友子としては「アイドルになりたい」という想い以上に、「働いてお金を稼ぎたい」「両親に頼らずに自立したい」という意識が強い印象を受ける。友子は有紗よりも障害が重く、働いてお金を稼いだという経験が乏しいため、「“普通の人”みたいに働きたい」という願望があったのかもしれない。  有紗はミスをして陰口を叩かれながらも“普通”に働いているが、一方で、普通に働くことに憧れを抱く友子のような人もいるのではないか。障害者と聞くとどうしても自分の思い描くカテゴリーにはめ込んで、ひとくくりに捉えようとしてしまいやすい。友子にスポットライトが当たることにより、障害には程度があり、人によっても異なることがわかった
次のページ 
友子が「公園で暴れ回った」悲しい理由
1
2
3
Cxense Recommend widget
あなたにおすすめ