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30代が高校生を演じているのに違和感がないワケ。“岸優太(26歳)がいてこそ”の最新作を考察

岸優太の共演陣との掛け合いも魅力

 その岸優太と豪華俳優陣との掛け合い、彼の言葉がキャラクターそれぞれに「届く」様も魅力的だ。  それまで和気あいあいと話していたはずの竜星涼や高良健吾が切実な告白をするのだが、岸優太の表情からは真剣に彼らの言葉と向き合っていることが伝わる。  変な方向に暴走してしまうレディース総長役の恒松祐里への(ちょっと引いてはいるものの)対応も誠実そのものだ。  それまでのおバカに思えていたギャップもあって、本当にいいヤツなのだとわかる。岸優太のファンはもちろん、これまでよく知らなかった方も、岸優太および主人公のことが大好きになることは間違いない(筆者がそうだ)。

20代後半~30代俳優が高校生を演じているのに違和感なし?

 もうひとつ面白いのは、高校生を演じた俳優のほとんどが20代後半または30代ということ。  ともすれば「さすがに高校生役は無理あるでしょ!」とそれぞれにツッコミたくなるところだが、実年齢に統一感があるためか、はたまたやや現実離れしたコメディ映画であるためか、むしろ違和感がなくなるというミラクルが起きていた。  実は「見た目と年齢のバランス重視」のキャスティングそのものが意図的なもの。岸優太にしても26歳の撮影時に16歳の高校生を演じるため、岸と年齢が近い俳優や、各キャラクターの身長も意識して配役を決めたそうなのだ。  そのためか、森本慎太郎、りんたろー。、尾上松也など、現実では間違いなく高校生に見えない彼らもまた、映画内の世界では自然と「これで良い」と存分に思えたし、演技力も申し分なかった。  また、先生役の吉岡里帆が生徒たちより年下に見えたりするものの、時たまテンションがおかしくなる様も含めてとてもキュートだったので、そこにも期待してほしい。
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狂気と優しさを同居させる田中圭の魅力
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