マクドナルドとドンキ広告の永山瑛太が“狂気”…と話題。日常を“ジャック”する強烈な俳優像
マクドナルドやドン・キホーテなど、最近、永山瑛太をさまざまな広告内で見かけることが多い。
そこにうっすら感じる狂気。言い過ぎかもしれないが、ぼくらの日常が静かに侵食されていく恐怖すら漂う。俳優としての永山が表現するものとは。
「イケメンと映画」をこよなく愛する筆者・加賀谷健が、瑛太からの改名を機に今や日常を“ジャック”するまでになった強烈な俳優像を追う。
永山瑛太が瑛太名義だった頃、篠原涼子主演の刑事ドラマ『アンフェア』(フジテレビ、2006年)が若き名演となった。篠原演じる警視庁の刑事・雪平夏見の相棒・安藤一之を演じ、いくつもの難事件の真相を追う。
サスペンスフルな緊張が途切れない全編、最終話が近づくにつれ、内部に潜む黒幕の存在がおぼろげに正体を見せ始める。
雪平の上司である管理官・山路哲夫(寺島進)あたりに目星をつけるのが妥当かと思いきや、見事に裏切られる。
灯台下暗し。黒幕は相棒の安藤だった。よくもまぁいけしゃあしゃあとずっと雪平の傍らにいられたものだ。確かにミステリアスなキャラクターではあったが、まさかね。視聴者に疑いの目を一切向けさせない瑛太の名演は、衝撃的だった。
瑛太時代の衝撃
“フェア”な俳優
視聴者の想像を掻き立て、最後の最後まで正体を隠し続けた安藤は、ドラマタイトル通り、アンフェアな存在だが、この大役を演じきった瑛太は清々しく映った。俳優としてはフェアな人ではないか。 俳優としてフェアと言うのは、演じる役柄に対して忠実で、役柄そのものを生きようとする姿勢のことだ。それでいて演じ込みすぎるわけでもなく、どこか飄々とした瑛太自身の表情が時折覗きもする。このあたりの塩梅がうまい。 放送時の瑛太は24歳だから驚く。あまりにも軽妙で名人の域に入っている。同作までに主演作品に恵まれていた彼が俳優人生をフェアに生きていた証だろう。



